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TPPで農業を対中戦略の犠牲にするな!

再びのリセット、待ったなし

2015年10月16日(金)

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農水省は既存のシステムをリセットできるか(東京・霞ケ関)

 最初に言っておくと、筆者は、環太平洋経済連携協定(TPP)への日本の参加は選択の余地のない決断だったと思っている。だからといって、TPPが本稿のテーマである日本の農業にとって好機だと軽々に言うつもりはない。そうではなく、そもそも農業が厳しい状況にあるなかで、さらにTPPという試練が重なるが、この危機をチャンスに変えるしかないと思っている。

 なぜ日本がTPPに参加し、実現に尽力すべきかと言えば、答えは単純で、中国の台頭があるからだ。ここ数年、中国は景気減速が続いており、もう何度目かの「崩壊論」のようなものがあちこちで取り沙汰されている。だが、この国は成長余地がまだ十分にあり、曲折はあっても間違いなく大きくなる。

中国をいかに引き込むか

 中国の市場は日本経済にとっても魅力的であり、対抗心を前面に出して張り合う必要はない。ただ、中国の存在感の高まりは2つの意味で、既存の経済システムとは違う緊張を世界に強いる。

 1つは、民主的な意思決定のプロセスなしで動ける一党独裁の政治体制だ。もう1つは、日米欧が主導してきたこれまでの世界経済と違い、1人当たりの国内総生産(GDP)でみればまだ途上国の段階にある国が、巨大な影響力を持ってしまったという点にある。膨張する経済と非民主的な政治体制のもとで国内にたまる矛盾が、長期的に世界の懸念材料になる可能性は否定できない。

 そこでTPPが必要になる。ときに強引な米国の圧力で、農産物市場を開放してきた日本の農業界からすれば、米国が中心にあるTPPは到底認めがたい経済協定と映るかもしれない。だが、それでも日米欧は全体として見れば、透明で民主的であることを高い価値としてかかげ、それぞれ経済を運営してきた。

 そこで論点は、今後の世界経済がどんなルールのもとで動くのを、我々が望むのかという点に集約される。目的は中国に対抗することではなく、中国をできるだけこちらの土俵に引きこみ、共通の言葉で経済が運営されるよう導くことにある。それは、日本を含めて各国がバラバラの状態で達成できる課題だろうか。

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「TPPで農業を対中戦略の犠牲にするな!」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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