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農水省にケンカを売った財務省

“コメ本位主義”の矛盾を突く

2015年11月27日(金)

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「稲作は構造改革が進んでいない」と批判する財務省(東京・霞ケ関)

 政府・与党は環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意を受け、農業分野の対策を決定した。牛肉や豚肉、コメなど海外からの輸入増が見込まれる品目への保護策を打ち出す一方、農業の体質強化策はもう少し時間をかけて議論することにした。結論を出すのは1年先。だがそのカゲで、今後の農政のあり方をめぐる攻防はすでに始まっている。口火を切ったのは財務省だ。

財務省の農業分析資料は説得力十分

 財務省がつくった資料を見て、正直驚いた。農林水産省のホームページのどこを見ても、日本の農業が抱える課題をこれほどわかりやすく整理した資料を見つけるのは難しい。財務省の資料だから根底にはもちろん、歳出の拡大に歯止めをかけたいという思惑はある。だがそれを割り引いたとしても、11月4日に財政制度等審議会の分科会に提出した資料の説得力は少しも落ちない。

 とくに力を入れているのは、農業が直面する問題を象徴するコメだ。例えば、農水省のホームページで「基本データ」を見ると、「1戸当たり経営耕地」は直近の2014年で2.17ヘクタールとある。これはすべての品目を平均した数値だ。これに対し、財務省の資料は同じ数字を載せるだけでなく、コメは50年前と比べて面積が2倍にしかなっていないが、肉用牛は頭数が32倍、養豚は600倍になったと指摘。「畜産は大幅に大規模化が進展しているのに対して、稲作はさほど進展していない」と批判している。

 コメも牛肉も豚肉もTPP交渉で日本が「聖域」にして守ろうとした品目だ。だが、畜産は劇的に構造変化が進む一方、主食のコメは半世紀前の姿をいまも残しているのだ。これを生産者の経営努力の差と決めつけるのは乱暴かもしれないが、畜産と違い、コメは兼業経営が大半を占めていることだけははっきりしている。スーパーの店頭などを見れば、どちらが国際競争にさらされてきたかも明らかだろう。

 もちろん農水省のホームページを片っ端から開けていけば、財務省の資料とは比較にならないくらいたくさんのデータが出てくる。だがそれは役所の組織と同様にほとんどが縦割りで、様々な品目を横断的に見て、どこに本当の問題があるのかを伝えようという姿勢に欠ける。これに対し、財務省はコメ関連の主な予算が畜産の8倍もあることを示したうえで、再び「コメの構造改革の遅れ」と切り込む。

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「農水省にケンカを売った財務省」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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