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仕事とは、「人から人に届けるもの」

エッセイスト 平松洋子さん(3)

2016年1月22日(金)

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平松洋子(ひらまつ・ようこ)
エッセイスト
1958年岡山県生まれ。東京女子大学文理学部社会学科卒業。『買えない味』で第16回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞、『野蛮な読書』で第28回講談社エッセイ賞受賞。ほかに『味なメニュー』『ステーキを下町で』『夜中にジャムを煮る』『サンドウィッチは銀座で』、『ひさしぶりの海苔弁』など。 (写真:鈴木愛子、以下同)

川島:前回は、消費の周辺についてうかがい、「自分が何を選ぶのか、選ばないかが、アイデンティティーにつながる」ということが、よく分かりました。

 さて、生活者がそのように変化してくる中で、送り手である企業が気をつけなければならないのは、どんなことでしょうか?

平松:ひとつ思うのは、なぜ、そのデザインになったのか、その値段になったのか、ひとつひとつ理由があるはずで、そこに価値があるということです。だから、イメージや雰囲気ではなくて、きちんと意味や理由を伝えていくことに、もっと力を注いでいいのではないでしょうか。お客は、誰が何を作ったかということを知りたいし、そのうえで自分なりに価値を見いだして選びたいと思っているのでは、と。

川島:そうですね。ただ、大企業が作ったモノは、ともすると、そのあたりが伝わっていない。逆に小さな商店の方が、店頭で作り手と買い手が直接やりとりすることがあるので、伝わってくると感じます。

平松:小さな商店の方が、メッセージがダイレクトですよね。分かりやすい。人がモノを作る、売るということについて言えば、究極は、人が人に向けて、個人が個人に向けて行うものだと思います。

川島:学生時代からベンチャーを立ち上げて、新たな道を切り開いている若者や、老舗の家業を継いで、存続のための舵取りに一所懸命な若社長とか、最近、私が取材した人は、自分の仕事と個人とが、近い距離にあると感じました。

平松:若い人の持っている仕事観は、暮らしと仕事が無理なく自然につながっていて、どちらも同等に大切と思っていることが伝わってきますよね。

川島:ただ、大企業にいる若い人からは、「自分のアイデアを上が認めてくれないから」「たとえ違っていると思っても、クライアントの言うことを聞かなければならない」と、組織の枠組みの中でがんじがらめになり、思うようにできないという話も、よく聞きます。

平松:つらいですよね。ただ、会社というのは、そもそも組織ではあるけれど、お化けのような形の見えない組織が仕事をしていると思ってしまうとつらい。あくまで、人としての個人が仕事をしていると考えたい。社長がいて、役職が分かれている大企業で働いていても、自分がどういうふうに生きたいか、どうやって社会と関わりたいか、もしくは社会にどう貢献したいかということについて、個人個人が実現していくという気持ちを手放さずにいることが、まずは大切ではないかしら。

 私自身も、せっかく仕事をするのなら、そこは大事にしたいと思ってきました。ただ、そうは言っても、「いやいや、上司がこう言ったから」ということに頻繁に直面すると、気持ちが萎えることもありますよね。

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「仕事とは、「人から人に届けるもの」」の著者

川島 蓉子

川島 蓉子(かわしま・ようこ)

ifs未来研究所所長

ファッションという視点から、さまざまな分野の企業のブランド作りなどのプロジェクトにかかわる。日経MJ、ブレーン、読売新聞などで連載を持つ。2013年から現職。多摩美術大学非常勤講師。Gマーク審査委員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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