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「面白い」をビジネスにする方法:糸井重里さん

第1回 自分で「やる」と決めたことは、絶対喜んでやる

2016年3月15日(火)

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 糸井重里さんは、以前から、お話をうかがいたいと思っていた一人です。「ほぼ日刊イトイ新聞」を拠点とする活動はぐんぐん広がっているし、南青山に「TOBICHI」という場を設けて魅力的なイベントを行ってらっしゃいます。

 クリエイターでもあり経営者でもある――まさに「ダサい社長が日本をつぶす」の対極を行くようなお仕事を重ねている。新しいモノ・コトを拓き続ける原動力はどこにあるのか、かねがね聞きたいと思っていました。

 驚いたのは、事前の打ち合わせにうかがった時、糸井さんから「段取りなし、ぶっつけ本番で行きましょう」と言われたこと。オロオロする私を気遣って、「手弱女ぶってますねー」とからかい、「『楽しかったねー』と思える時間にすればいいじゃないですか」と励ましてくださいました。

 からりとした温かさ。ぞくりとする鋭さ。ざっくばらんな緻密さ。それらが綯交ぜになった糸井さんの魅力に、初対面で「まいりました!」状態だったのです。

 インタビューした後、糸井重里さんが「ほぼ日」で毎日アップしているコラム「今日のダーリン」で、自分たちの仕事について「夢に手足を。」というコピーを付けたことが、さまざまなところで話題に上りました。

 そして再び、今回のインタビューを振り返ってみると、糸井さんはここで「夢に手足を。」とはどんなことなのか、さまざまな角度から語っていると感じたのです。

 ではようこそ、イトイ・ワールドへ。

1948年群馬県生まれ。「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰。 1971年にコピーライターとしてデビュー。 「不思議、大好き。」「おいしい生活。」などの広告で一躍有名に。 また、作詞やエッセイ執筆、ゲーム制作など、幅広いジャンルでも活躍。 1998年6月に毎日更新のウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を 立ち上げてからは、同サイトでの活動に全力を傾けている。

川島:今日は「何でも聞いていい」ということなので、まずは、社長としての糸井重里さんの一日を聞いてみたいと思います。今日は、朝起きてからどう過ごしていらしたのですか? 今は午後5時です。

糸井:今朝は5時にようやく寝たのですが、10時半くらいに起き出して、ぶどうジュースを飲んで、メールをチェックして、読みかけの本を読んで、お風呂に入って、簡単な朝ごはんを食べて、それからまたネットの上でできる仕事をして。出勤はまったくデタラメです。何か仕事の約束があれば行くし、なければ行かない。今日は午後2時からミーティングがあって、それに間に合うように会社に行きました。

川島:社長なのに、行く日と行かない日があるのですね。

糸井:一応まんべんなく予定が入っているので、だいたい毎日行っています。ちなみに、僕の1日のスケジュールは、「ほぼ日」(ほぼ日刊イトイ新聞)の全社員――あ、うちでは乗組員って呼んでいるんですけど――が知ることができる仕組みになっています。「これはやる、これはやらない」は自分で決めますが、後は、乗組員たちの命令のままに動くという状況を作っていて(笑)。秘書が決めたスケジュールを、言われた通りやることにしているのです。

川島:社長としては「やるかやらないか」だけを決めると。

糸井:そういうことです。逆にいうと、自分でやると決めたことは、絶対喜んでやる。それ以外は引き受けないと決めている。だから今日、僕がここにいるということは、喜んでいる、ということでもあるわけです(笑)。

川島:わあ、嬉しいけどプレッシャーだなあ(笑)。じゃあ、さっそく質問です。マーケティングは、私が長年仕事にしてきたことなのですが、10年くらい前から普遍化とか合理効率化ということに疑問が湧いてきてしまって。そんな簡単なことではないのでは、とぐるぐる思っています。とはいうものの、「その人にしかできない」という仕事だと、属人的な話になっちゃうし。でも、魅力的な仕事って、たいがい「その人にしかできない」何かだったりするんですよね。

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「「面白い」をビジネスにする方法:糸井重里さん」の著者

川島 蓉子

川島 蓉子(かわしま・ようこ)

ifs未来研究所所長

ファッションという視点から、さまざまな分野の企業のブランド作りなどのプロジェクトにかかわる。日経MJ、ブレーン、読売新聞などで連載を持つ。2013年から現職。多摩美術大学非常勤講師。Gマーク審査委員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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