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大企業に「かっこいい商品」を求めるのは間違い

「かっこいい」とは何なのか?(都築響一さん 第1回)

2016年5月18日(水)

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都築響一さんは、若い頃から仰ぎ見てきた編集者の一人。だから、最新刊の『圏外編集者』を一気読みしてしまった。都築さんは、ワンルームマンションのリアルな住まい方を集めた『TOKYO STYLE』をはじめ、地方に存在する面白いものを取り上げた『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』など、誰も注目してこなかったユニークな切り口で、さまざまな「かっこいい」を取り上げた本を出す一方、新丸ビルで「スナック来夢来人」という人気店を作ったりもしている。いつも変わることなく、最先端を切り拓き、走り続けている。その「かっこいい」発想はどこから来るのか――。

『圏外編集者』の最後の方に、「編集者という仕事の醍醐味は、取材に行って、新しいもの、新しいひとを自分で見つけること。それ以外にない。だから自分の足で歩きながら新しいものを発見し続けたい。歩いているうちは、ずっと」と綴ってある。でも、これって編集者に限らず、これからの時代、仕事を「かっこよく」するために、とても大事なことではないか――。

そんな疑問をぶつけてみたいと思い、新宿ゴールデン街のスナックでインタビューした。

都築響一
1956年、東京生まれ。76年から86年まで『ポパイ』、『ブルータス』で現代美術や建築、デザインなどの記事を担当。89年から92年にかけて、1980年代の世界の現代美術の動向を網羅した全102巻の現代美術全集『アート・ランダム』を刊行した。自らカメラを手に、狭いながらも独創的な東京人の暮らしを撮影した『TOKYO STYLE』や、日本全国の奇妙な名所を訪ね歩く『珍日本紀行』の総集編『ROADSIDE JAPAN』で、既存メディアが見たことのない視点から現代社会を切り取る。97年に第23回・木村伊兵衛賞を受賞。97年から2001年にかけて、アマチュアの優れたデザインを集めた写真集『ストリート・デザイン・ファイル』全20巻を刊行。その後も現在に至るまで、秘宝館やスナック、独居老人など、無名の超人たちに光を当て、世界中のロードサイドを巡る取材を続行中。(写真:大槻純一)

都築:このスナック、いいですねえ。古い本がいっぱい並んでる。

川島:いいでしょ。この3月オープンしたばかりの、新宿ゴールデン街でいちばん新しいお店「THE OPEN BOOK」です。『天国は水割りの味がする?東京スナック魅酒乱』で、スナックの魅力を世に広めた都築さんと対談するなら絶対ここ!と担当編集者が押さえてくれました。ゴールデン街の主だった直木賞作家田中小実昌さんのお孫さんの経営です。

都築:コミさんのお孫さんの店。噂には聞いてたけど、古い本がいっぱい並んでて楽しいですね。あ、僕の本もある。

「かっこいい」=「ブレがない」

川島:スナックの話もそうですけど、都築さんって、誰も注目していない、でも実は掘り下げると面白いどこにでもあるものを、ぽんと探し出してきて見せてくださいます。新刊の『圏外編集者』(朝日出版社)も、圧倒的に面白かった。

 「編集者でいることの数少ない幸せは、出身校も経歴も肩書も収入もまったく関係ない。好奇心と体力と人間性だけが結果に結びつく、めったにない仕事ということにあるのだから」というくだりに大きく頷いちゃいました。そんな姿勢を貫いてきたからこそ、都築さんが目を付けるものは、「面白くてかっこいいんだ」と思ったんです。都築さん、これまでご自身の「編集術」を語った本は出してこなかったですよね?

都築:たしかに、今までも、「編集にまつわる本を書いてほしい」と何度も頼まれてきたのですが、すべてお断りしてきました。

川島:やっぱり! 秘中の秘を明かすわけにはいかないと……。

都築:全然違うんですよ。僕の編集ノウハウを秘密にしておきたかったわけでもなんでもない。そもそも編集のノウハウなんてないし(笑)。

川島:編集ノウハウ、ない?

都築:ないない。好きなもの探してくるだけ。

川島:そ、そうなんですね。

都築:うん。でも、今回は、担当編集者の女性がものすごーく熱意があって、「執筆じゃなくて、聞き書きでもいいです!」と言われたので、やってみようかと思ったんです。それからね、もうひとつ、彼女にとって、この本が初めて編集する単行本というのもお引き受けした理由です。

川島:え、都築さんともなると、ベテラン編集者のお友達もいっぱいいらっしゃるでしょうに。そのほうがスムーズなような気もするのですが。

都築:経験のない人とやりたかったんです。ベテランで顔見知りの編集者とやった方が、楽に決まっています。僕はただ聞かれたことに答えるだけでよかったでしょうから。でも、あまり僕のことを知らない、違う世代の若い人とゼロからつくったほうが、お互いにわかった気になることがないぶん、きっと面白くなるだろう、と考えたんです。

川島:『圏外編集者』のページをめくっていくと、「自分だけの編集的視点を養うには?」「だれもやっていないことをするには?」と、どんな仕事をしている人でも、「知りたい!」って思うことばかり。そこに、都築さんの視点での「答え」がいっぱい入っていて「なるほど、世の中のことがよくわかる」と感じました。そこで質問です! 都築さんにとって、「かっこいい」ってなんですか?

都築:「かっこいい」というのは、「ブレがない」ということですよね。たとえばダサいTシャツを、ずっと好きだと思って着続けている人がいたら、それは「かっこいい」んです。クルマでも音楽でも同じことで、何十年もブレずに同じものが好きな人は、僕にとって「かっこいい」人ですね。

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「大企業に「かっこいい商品」を求めるのは間違い」の著者

川島 蓉子

川島 蓉子(かわしま・ようこ)

ifs未来研究所所長

ファッションという視点から、さまざまな分野の企業のブランド作りなどのプロジェクトにかかわる。日経MJ、ブレーン、読売新聞などで連載を持つ。2013年から現職。多摩美術大学非常勤講師。Gマーク審査委員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師