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日本のクルマがダサく見えるのは、「構造」をデザインできないから

佐藤卓デザイン事務所 代表 佐藤卓さん(4)

2015年9月4日(金)

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欧米メーカーは「構造」の重要性を知っている

佐藤卓(さとう・たく)
グラフィックデザイナー
1979年東京藝術大学デザイン科卒業、1981年同大学院修了、電通を経て、1984年佐藤卓デザイン事務所設立。「ニッカ・ピュアモルト」の商品開発から始まり、「ロッテ キシリトールガム」「明治おいしい牛乳」などの商品デザイン、「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE」のグラフィックデザイン、「金沢21世紀美術館」「国立科学博物館」「全国高校野球選手権大会」等のシンボルマークを手掛ける。 また、NHK Eテレ「にほんごであそぼ」アートディレクター、「デザインあ」総合指導、21_21 DESIGN SIGHTディレクターを務めるなど 多岐に渡って活動。著書、展覧会も多数。(写真:鈴木愛子、以下同)

川島:前回は、デザインとは、商品の外見の「意匠」だけじゃなく、商品の骨格にあたる「構造」をつくることなんだ、というお話を伺いました。それで連想したのが自動車のデザインです。卓さん、クルマお好きでしたよね?

佐藤:大好きです。

川島:私はクルマ音痴なんですが、ドイツの3大高級車メーカー、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディは、そんな私でも見分けがつく。一方で、日本の大手メーカーのクルマは、どこの会社の製品か分からなくなる。何が違うのかな、と前から疑問だったんですが、メルセデスもBMWもアウディも、「構造」ががっちりつくりこまれていて、それがちゃんとこちらに伝わっているからなんだと納得しました。

佐藤:おっしゃる通り。いま挙げた3社は、「構造」のデザインがしっかりあって、絶対に変えない。BMWの場合、中央のラインで左右2つのパーツに分かれているフロントグリルのデザインは、確か創業以来変えていないはずです。つまり「意匠」以上に「構造」を重視してデザインしているわけです。

川島:BMWと言えば、あのフロントグリルの印象、私の中にも焼きついています。

佐藤:でしょう? 日本のクルマメーカーの多くは、「構造」をデザインするのが苦手なんですね。モデルチェンジで車種の名前まであっさり変えてしまったりする。だから、どのメーカーのどのクルマなのか、ぱっと見てもなかなか認識できないわけです。

川島:日本車のデザインをイメージしにくいのは、「構造」をデザインしていないから、というわけですね。

佐藤:実にもったいない。日本のクルマが備えているテクノロジーは世界的にも素晴らしいし、性能に比して価格も安い。だから売れるわけです。

川島:だから、デザインに重きを置かないわけですね。

佐藤:そうです。結果的に日本のメーカーは、テクノロジーと価格戦略にアイデンティティーを求めてしまう。でも実は、デザインをきっちり仕上げ、デザインのアイデンティティーを確立すれば、「ブランド」になるはずなんです。

川島:デザインが「ブランド」をつくるという側面が大きいわけですよね。

佐藤:企業の理念がデザインの力できちんと表現されていること。それがデザインのアイデンティティーです。そしてお客さんは、デザインに惚れ込んで、買ってくれる、使ってくれる。共感してファンになってくれる。「ブランド」ってそういうことですよね。

川島:しつこく繰り返しますが、日本の自動車メーカーが、先ほど挙げたBMWやメルセデス・ベンツのようなラグジュアリー市場で「ブランド」を確立できないのは、デザインに問題があるからということですか。

佐藤:高級路線のクルマに、自社の名前とは別のブランドロゴをつける。日本の自動車メーカーの高級ブランドのつくり方です。でも、あのやり方には疑問があります。だったら、そのメーカーのロゴには、ブランド力がないってことなのか、と。

川島:ラグジュアリー分野をつくろうとして、新しいブランドを展開しているように見えるけれど、ロゴマークを変えちゃうわけですから、企業イメージとは結びついていかないのは当然のこと。つまり、アイデンティティーが確立されないわけです。

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「日本のクルマがダサく見えるのは、「構造」をデザインできないから」の著者

川島 蓉子

川島 蓉子(かわしま・ようこ)

ifs未来研究所所長

ファッションという視点から、さまざまな分野の企業のブランド作りなどのプロジェクトにかかわる。日経MJ、ブレーン、読売新聞などで連載を持つ。2013年から現職。多摩美術大学非常勤講師。Gマーク審査委員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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