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かかわる前と後で何がどう変わったかが大事

まずは課題を見つけるところから仕事が始まります(佐藤オオキさん、第2回)

2017年9月15日(金)

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 「ネンド」は、企業のブランディングをはじめ、空間、製品、広告、プロモーションなど幅広い活動を展開しているデザイン会社です。率いているのは、デザイナーの佐藤オオキさんと、マネージャーを務める伊藤明裕さん。

 特にここ数年、佐藤オオキさんは、雑誌やラジオなど、マスコミへの露出も頻繁で、今や売れっ子デザイナーの筆頭にいると言っても過言ではありません。

 デザインはビジネスにどう活かせるのか。
デザインを通して経営トップとどうかかわるのか。
これからデザインという仕事はどう形態を変えていくのか。
ネンド流の「デザイン」と「経営」とのかかわりとはどんなものか。
今回は、話題となった2015年IHIの広告づくりのプロジェクトについても、聞いてみました。

佐藤オオキ氏
nendo(ネンド)代表。
1977年カナダ生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科建築学専攻修了、同年、ネンドを設立。2005年にはミラノオフィスを設立。06年にはニューズウィーク誌の「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれる。
コカ・コーラやルイ・ヴィトンから大正製薬やロッテ、日清食品など国内外にクライアントを持ち、プロダクト、 グラフィック、インテリアから建築と多岐に渡ってデザインを手掛ける。
作品はニューヨーク近代美術館のほか、パリ装飾美術館、英ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館など世界の美術館に収蔵されている。
日本のグッドデザイン賞を11作品で受賞。そのほかエル・デコ誌の賞を最年少で受賞するなど、各国のデザイン賞を受賞。「佐藤オオキのボツ本」(日経BP社)ほか著書も多数。(写真=大畑陽子、以下同じ)

デザインすることで変化が起きたら、それがひとつの成果

川島:オオキさんが、このプロジェクトはうまくいったって感じる瞬間は?

佐藤:うまくいったか、うまくいかなかったか、というのはなかなか判断しづらいところがあります。ただ、やる前と変わったかどうかという視点で見ると、少しわかりやすくなる。つまり「ネンド」とかかわる前と後で、何がどう変わったかということです。たとえば、売り上げはさほど上がらなかったけれど、ネンドがデザインした商品をきっかけに新しい販路が広がったとか。ここにターゲットはいないと思っていたけれど、売ってみたらヒットしたとか。あるいは、若手の社員たちが目覚めて、新しいプロジェクトを興して成功させたとか。デザインをすることで、何か新しい可能性を提示できたり、マーケットに対して変化をもたらしたとしたら、それは僕らがかかわったひとつの成果じゃないでしょうか。

 かつてネンドが手がけたロッテの「ACUO」というガムもそうでした。当時は「歯にいいガム」が圧倒的に売れていたんですが、「ACUO」は「息をきれいに」をうたって若者に照準を定めたところ、これがロングセラー商品になったんです。

川島:そうやって山ほどプロジェクトを抱えている一方で、ラジオ番組を持ったりテレビに出たり、連載を持って本にしたりと、オオキさんはちょっとタレントみたいになっている感もありますが。

佐藤:えっ、本当ですか。自分が露出することに僕は一切、興味がないんです。マネージャーを務めてくれている伊藤と相談して、「本当に自分たちの会社のためになるのか、クライアントのためになるのか」といったところで判断し、お引き受けしているだけなんです。あとは、新しいことにはまずはチャレンジしてみよう、という気持ちは常にあります。

川島:本当ですか? ということは、良い仕事が来て、良い仕事をするために露出するということなんですね。

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「かかわる前と後で何がどう変わったかが大事」の著者

川島 蓉子

川島 蓉子(かわしま・ようこ)

ifs未来研究所所長

ファッションという視点から、さまざまな分野の企業のブランド作りなどのプロジェクトにかかわる。日経MJ、ブレーン、読売新聞などで連載を持つ。2013年から現職。多摩美術大学非常勤講師。Gマーク審査委員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長