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クルマのお客様は「女の人」です

日産自動車 専務執行役員 星野朝子さん(3)

2015年12月11日(金)

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「仕事に命を賭けないでください」

川島:もともと星野さんは、市場調査室長として、マーケティング全般を見ていたわけですが、当初は、メーカーの視点とユーザーの視点の乖離が大きかったというお話をうかがいました。

星野朝子(ほしの・あさこ)
日産自動車 専務執行役員
1983年3月慶応義塾大学経済学部卒業、88年ノースウエスタン大学ケロッグ経営学大学院修士課程修了(MBA取得)。83年4月日本債券信用銀行入社、89年社会調査研究所に転職し主任研究員、2001年インテージ(旧・社会調査研究所)役員理事、立命館大学経営学部非常勤講師、2002年4月早稲田大学理工学部非常勤講師、日産自動車入社、VP市場情報室担当。2006年4月同社執行役員市場情報室担当、2011年4月同社執行役員コーポレート市場情報統括本部担当、2014年4月同社常務執行役員コーポレート市場情報統括本部担当、2015年4月同社専務執行役員日本マーケティング本部、日本営業本部、営業支援本部、フリート事業本部、M&S-J企画部、M&S-J業務部 担当。
(写真:鈴木愛子、以下同)

星野:それはもう、ものすごく乖離していました。日産に入った時に、私がゴーンさんから与えられたミッションは「顧客主義の徹底」ということでした。消費者の声を正確に読み取り、それを戦略に反映させていくということです。

川島:それって本来的な意味でのマーケティングだと思うのですが、それまでは、できていなかったということですか?

星野:私が入るのと同時に、市場調査を基にマーケティングを担う部門である市場情報室ができたわけですが、その存在意義や価値がよく分からないといった声が耳に入ってくるほど、マーケティングが弱くなっていたのです。

川島:大変でしたね。

星野:今では笑い話のようなエピソードですが、消費者調査を基に、新車の売り上げ予測をしたところ、予想を大きく下回る数字が出たことがありました。それを提示したところ、現場から全く受け入れてもらえなかったのです。

川島:「自分たちが精魂込めて作ったクルマが売れないなんて、どういうことか」というわけですね。

星野:そうです。議論は平行線を辿り、「このプロジェクトに命を懸けてきたのに、俺たちを殺す気か」とまで言われたりして(笑)。「仕事に命をかけないでください。ご家族のために命はかけてください」と答えたら、「話にならない!」と立腹して会議室を出て行ってしまった。そんなこともありました。

川島:ちょっとドラマみたいな展開です。で、その顛末は?

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「クルマのお客様は「女の人」です」の著者

川島 蓉子

川島 蓉子(かわしま・ようこ)

ifs未来研究所所長

ファッションという視点から、さまざまな分野の企業のブランド作りなどのプロジェクトにかかわる。日経MJ、ブレーン、読売新聞などで連載を持つ。2013年から現職。多摩美術大学非常勤講師。Gマーク審査委員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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