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スイス発!地下を利用する自動物流網構想の衝撃

2016年2月24日(水)

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アマゾンはドローンの夢を捨てない

 米アマゾン・ドット・コムがドローンを配達に活用することを想定した最新YouTube動画を公開した。実現化が一時期には疑問視されたアマゾンのドローン化計画だが、この動画を見るとドローン活用はSFではなく、生活に溶け込む一歩手前である印象すら受ける。

 ドローンが障害物にぶつかったり、ドローン同士が接触したりすることも技術的に解決でき、その技術はクルマの自動運転とも通じる。2015年10月にアマゾンが特許を出願した資料にも、その開発技術について言及がある。一度でもドローンが事故を起こしてしまえば、ドローンの活用自体に疑問符がつき、夢の技術は悪夢と変わっていく。だからアマゾンは、安全を最優先し、確実な運用ができてからドローン配達を実施する考えだ

 日本でもドローンの実現化にむけて、国土交通省が民間企業と組んで千葉県や徳島県で実証実験を行う。先端を走るアマゾンは、米国に加えて、カナダ、英国、オランダでも実験を実施する。ドローンの活用では、各国で規制が異なる。ドローンの配達が可能となるためには、それぞれの国の規制をクリアする必要があるため、同時期に実施はできないかもしれない。

 よく子どもに「夢を持て」といいながら、自分自身は夢を捨て去ったまま暮らしている大人は多い。ただ、ジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)は、空飛ぶドローンに自社商品を配達させようという夢を捨てない。

ドローン活用にそれでも残る疑問

 ドローン配達が可能になった世の中は便利だろう。しかし、住宅での軒先渡しが可能な米国に対して、日本では集合住宅が多い。ドローンがマンションなどのポストに1つひとつ貨物を挿入できそうにはない。やるとしたら、マンション等の屋上に落下ポイントを設け、ドローンが荷物を下ろし、そこから管理人が配ることになるだろう。

 さらに、領空権が網の目のように張り巡らされた国のなかで、ドローンはどうやって配達が可能だろうか。個人所有地のすぐ上空を通過するわけにはいかない。とすれば、道路の上空を通過することになる。そのとき、自動車と同じく(日本であれば)左側通行になるのだろうか。各国の道路交通法は浮遊物を想定していないが、上限スピードはどのように定義されるだろうか。

 はたして雨の日も風の日も、ドローンは配達が可能なのだろうか。

 地上はいわば、人々が開発し、使い尽くしてきた領域だ。そこに新参者が入るのは容易ではない。もちろん、だからこそチャレンジしがいがあるし、ドローンはイノベーションにもなるだろう。

 しかし、上空を飛ぶドローンを待ち構える障害は、ぱっと考えただけでも、これらのものが思い浮かぶ。

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「スイス発!地下を利用する自動物流網構想の衝撃」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授