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サプライヤーの従業員も自社と同様と考えよ

2016年3月2日(水)

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 1月末に1ドル=121円台だった外国為替レートが、いまや112円台(3月1日時点)。1カ月の間で7%も円高になった。原油価格に代表されるコモディティ品の市況も下落した状態が続いており、調達・購買/サプライチェーン部門は、過去数年間値上げを余儀なくされた購入価格を見直す絶好の機会が到来している。

 そしてもう1つ、円高は日本企業の海外直接投資の勢いをさらに加速させるだろう。2012年以降の円安局面でも、史上最高の海外直接投資額を維持し、その勢いは2015年まで継続している。厚い内部留保を蓄えた企業は、新年度となる4月以降も、海外マーケットを強く意識した事業展開を継続させ、日本企業のサプライチェーンは海外に広がってゆく。

 海外展開の目的を大きく2つ挙げれば、現地市場のポテンシャルに期待したいこととともに、新興国の安価な人件費の活用だ。しかし、人件費が安いのには理由がある。技術開発力や品質管理能力が日本のサプライヤーと比較して劣るケースが多いのは周知の通りだ。近年新興国企業の技術・品質レベルも改善されている。改善指導に代表されるサポートを積極的に行うなど、リスク顕在化の回避の具体策が講じられている。一方で、サプライヤーの従業員管理にともなうリスクも、近年大きく浮上している。一層の海外展開が進む中、今回は実際に発生した事例を関係図に示し、海外におけるサプライヤーの従業員管理の問題点と対応策を考えたい。

新たなリスクが発生するプロセス

 マレーシアの日系現地法人A社のサプライヤーである日系B社に勤務しているミャンマー人労働者Cが、給与が不当にさし引かれているとしてB社へ改善を要求した。状況を見兼ねた現地の人権活動家DがCの訴えと経緯を、自らのブログで公表した。ブログには、B社に対して事実確認を求める内容も含まれていた。

 事態を受けB社は、「人材派遣会社E社から派遣を受けているため自社には責任がない」として、逆に人権活動家Dを名誉毀損で訴えた。人権活動家Dは、B社と取引関係にあるA社に対しても「訴訟を取り下げさせろ」と申し入れ、抗議活動を発展させた。A社には数百もの抗議メールが送られるとともに、事業所には抗議団が押し寄せるに至った。

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「サプライヤーの従業員も自社と同様と考えよ」の著者

牧野 直哉

牧野 直哉(まきの・なおや)

未来調達研究所取締役

2012年、未来調達研究所取締役就任。現役バイヤーの立場から情報発信を行い、企業の調達・購買部門における取引先管理・サプライヤーマネジメントの専門家。調達・購買の現場に根ざした理論構築を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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