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ドナルド・トランプとサプライチェーン

2016年3月9日(水)

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(写真=ロイター/アフロ)

 完全に民主的な手続きによって、非民主主義的な独裁者が生まれることがある。先進的なシステムを有したワイマール共和国は、ナチスとヒトラーの独裁を生み出し、そして世界に禍根を残した。多くの国民は、熱狂に包まれ、ナチズムに傾いていった。そのへんの過程は名著「自由からの逃走」(エーリッヒ・フロム)に詳しい。

 ヒトラーとドナルド・トランプ氏を比較すれば、さすがにトランプ氏に失礼だろう。しかし、表現の自由を保証する国柄で、自由とはいえ、まゆをひそめたくなるような発言が多い。他国にたいする差別的発言があふれ、白人至上主義的なスタンスはトリックスターというより、アブない独裁者に映る。

 しかし、「トランプ氏が大統領になったら、日本への影響はどうなるか」と聞かれた識者は困るに違いない。TPP(環太平洋経済連携協定)反対、中国への嫌悪感、輸入関税の大幅アップ……など、表面的には刺激的な言葉が並ぶ。ただ、実際の演説内容を読んでみても、それは表面レベルにとどまっており、具体的な施策は述べられていない。おそらく、詳細を語っても、支持を取り付ける側面からは意味がないと考えているのだろう。過激な発言と、扇動で、人々を引きつけるのだとしたら、なるほど元不動産王にふさわしい。

 ただし、トランプ氏は単純明快なメッセージを述べ、人々に訴求する点では、確かにうまい。中国へ出張に行った、アメリカの空港に戻ってきたら、なんだこのボロボロさは? 中国に富と労働を持って行かれたからだ。いまこそ工場と労働をアメリカに戻そう。それに景気が盛り上がりつつあるのに、なぜ失業率は高水準にあるんだ? 不法移民のせいだ。メキシコから人々がやってこないように壁を作ろう。もちろん、費用はメキシコ政府が払うべきだ。なぜなら、彼らはドラッグと犯罪も持ち込んでいるのだから……と。

 トランプ氏が目指すのは、「Make America Great Again!」というが、言葉を換えれば、偉大なる“ひきこもり”国家をつくろうという意味なのかもしれない。

まともな米国民はいないのか?

 トランプ氏が熱狂的に支持されている様子を、各国は冷めた目で見ている、というのが現状だろう。もちろん、米国内でも、そのいきすぎた発言に反応がある。例えば、移民に否定的なトランプ氏をメイシーズは批判した。メイシーズのような巨大小売店は、移民を含むマスを相手にしている。従って、移民がメイシーズに来店した際に、トランプ関係の商品が陳列されていたら、売上減少につながるかもしれない。トランプ氏はメンズウエアのコレクションを持っており、メイシーズはそのネクタイ、スーツ、シャツ等の販売中止を決めたのだ。

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「ドナルド・トランプとサプライチェーン」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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