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G7で語られた「責任あるサプライチェーン」とは

2016年3月30日(水)

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 5月に伊勢志摩で主要国首脳会議(G7伊勢志摩サミット)が開催される。世界経済の成長や、フランス、ベルギーで発生した無差別テロの対応にG7各国が協調姿勢を示せるかどうか。議長である安倍晋三首相のリーダシップが問われる。活発に討議されて世界の経済発展の道筋が明らかになると共に、平穏無事に開催されることを願いたい。

 伊勢志摩サミットから11カ月前の昨年6月、ドイツのエルマウで前回サミットが開催された。その際に世界経済の6つ目のトピックとして「責任あるサプライチェーン」が討議され、首脳宣言では次の点が述べられた。

●前提条件
安全でなく劣悪な労働条件は重大な社会的・経済的損失につながり、環境上の損害に関連

●G7諸国の役割
世界的なサプライチェーンにおいて労働者の権利、一定水準の労働条件及び環境保護を促進し、国際的に認識された労働、社会及び環境上の基準、原則及びコミットメント(特に国連、OECD、ILO及び適用可能な環境条約)が世界的なサプライチェーンにおいてより良く適用されるために努力してG20含めた他国と連携

●求められる行動
・企業が人権に関するデュー・ディリジェンスを履行
・透明性の向上、リスクの特定と予防の促進及び苦情処理メカニズムの強化によってより良い労働条件を促進
・持続可能なサプライ・チェーンを促進

外務省HP「2015 G7エルマウ・サミット首脳宣言(仮訳)」より抜粋

求められる企業の対応

 この宣言に関連する取り組みは、既に多くの企業で行なわれているCSR(企業の社会的責任)調達で実践されている。地球環境を念頭に置いた持続可能な発展方法に加えて、サミットで行われた宣言には、新興国における労働者の労働環境や雇用条件にも企業、特に発注者としての影響力の発揮と関与が求められる。

 具体的にはISO26000:2010「社会的責任の手引」によって、企業の果たすべき社会的責任が定義され、ISO26000を調達面に展開するISO20400(持続可能な調達)が基準となる。ISO26000をサプライチェーン全体で実践・普及させるための位置付けだ。現在検討中で2017年春ごろに発行される予定。日本では、世界の注目を浴びる2020年の東京オリンピックの開催準備に関連した調達活動への適用が想定される。

 昨年のサミットの首脳宣言を受け、今年のサミットでどのような討議が行われ、首脳宣言に盛りこまれるかに注目している。今回のサミットで昨年より踏み込んだ、企業の社会的責任や持続可能な調達の推進が、首脳宣言に含まれた場合、一般企業にはどのような影響があるだろうか。

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「G7で語られた「責任あるサプライチェーン」とは」の著者

牧野 直哉

牧野 直哉(まきの・なおや)

未来調達研究所取締役

2012年、未来調達研究所取締役就任。現役バイヤーの立場から情報発信を行い、企業の調達・購買部門における取引先管理・サプライヤーマネジメントの専門家。調達・購買の現場に根ざした理論構築を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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