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熊本地震、なぜサプライヤー寸断が再び起きた

2016年4月19日(火)

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(写真:新華社/アフロ)

 熊本を襲った地震の影響がサプライチェーンにも及んだ。トヨタ自動車系列、そしてソニーやルネサスエレクトロニクスもが相次いで工場停止を発表した。本稿の発表時点(4月19日)にいたるまで余震の状況や、そして各企業の工場操業状態は分からないものの、予断を許さないに違いない。しかし、生産うんぬんよりも、まずはいまなお続く不明者の安否について、祈るしかない。そして、お亡くなりになられた方のご家族については、言葉もない。

 海外メディアはこの地震について、いっせいに報じている。もちろん、惨事を伝えるものが大半だが、その中で、前述のサプライチェーンに触れているものもある。例えば、Fortuneは「Toyota, Other Major Japanese Firms Hit by Quake Damage, Supply Disruptions」と題した記事でサプライチェーンの寸断を伝えている。日本企業のお家芸であるジャスト・イン・タイムがゆえに、このような地震時には脆弱性を露呈してしまうとしている。しかし、2011年の東日本大震災と異なるのは、現在では膨大なサプライヤーマップを有しているため、代替品生産が容易になっている、とその進化も伝えている。そして、部品標準化の取り組みが各社で実施されており、それにより工場をまたいだ代替生産が広がるだろう、と傾向も紹介している。

 またCOMPUTERWORLD.comは「Japan earthquakes disrupt electronics supply chain」と題し、電子機器類のサプライチェーンを中心に論じている。また、Strategicsourceror.comは「Japan's natural disaster causes supply chain disruptions」という記事で、そもそも日本は自然災害リスクが高いことを識者のコメントから紹介している。そのほか、類似の記事があるものの、ほぼ同様の内容を伝えているようだ。

サプライチェーンの5年の変化

 ところで私事で恐縮ではあるが、2011年に東日本大震災を受け、印税を全額寄付する書籍企画『大震災のとき!』を発表した。そこでは、2011年の地震直後に発表したこともあり、教訓を引き出すよりも、各企業の対応をありのまま記述した。いま読むと感傷的なほど、私の湿っぽい文章が散見される。

 そこで、私たちの未来調達研究所では、2011年から5年が経ったことからも、5400人のサプライチェーン関係者に対して、先日アンケートを実施した。内容は、もちろん「私たちのサプライチェーンはこの5年でどのように進化し、そして、変わらないのか」だ。大震災当時は、危機管理だとか、事業継続計画(BCP)だとか、調達先二重化(サプライヤマルチソース化)などが叫ばれた。しかし、その結果として、私たちのサプライチェーン網は頑丈なものになったのだろうか。

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「熊本地震、なぜサプライヤー寸断が再び起きた」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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