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即日無料配送は単なる弱い物イジメ?

バカヤローは宅配業者か私たちか

2015年6月24日(水)

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 米アマゾン・ドット・コムは先日、“On My Way”プログラムを発表した。これは、クラウドソーシングを使って一般人に商品の宅配を依頼するものだ。スマホのアプリなどを使用し、アマゾンが商品を届けたい方面に向かうユーザーをマッチングする。ユーザーはアマゾン倉庫から商品をピッキングし、お客に届ける。

 ネット通販を含む小売業は、即日配送が当然となりつつあり、かつ、配送コストの抑制も図らねばならない。この“On My Way”プログラムは、その双方を満足できる試みだ。

 もっとも、このアイデア自体は新しいものではない。一部では、「まさか一般人まで使って配送させるとは」と驚きの声が上がったものの、当連載で紹介したようにウォルマートが先に検討していた。これは、店舗でクーポンを入手できる代わりに、帰りにどこかの家庭まで荷物を届ける、相互扶助型の試みだ。

 ウォルマートだけでなく、類似のサービスの検討は各社とも進めている。ただ、配送をお願いする人の審査は必要だし、保証をどうするかといった障害も多い。特に配送の過程で犯罪が発生すれば、途端に小売店のイメージダウンにもつながるだろう。

 とはいえ、これらの試みは、「面白いチャレンジ」ではなく、小売各社の生き残りをかけた試行錯誤と考えるべきだ、と私は思う。ネット通販の世界は右肩上がりが報じられるものの、実はこういったギリギリの取り組みの中に、むしろネット通販の悲しみを見るべきだ、とも私は思うのだ。

物流業者の逆襲

 なぜならば、現在、ネット通販と業務を拡大してきた宅配各社が一斉に値上げに舵を切っている。原因は、採算性の悪化とドライバー不足などによる。後者はのちほど詳しく説明する。前者の理由は、取扱個数は増加しているものの、いかんせん、企業間物流に比べて小口ばかりであることにある。

 企業間物流は減少の一途をたどるものの、企業間物流のように、大きく重く大量のものをまとめれば、最も効率が高く利益額も高い。ただし、ネット通販の時代は、なかなかそうはいかない。東京や大阪などの都市部であれば、まだ1人のドライバーが効率的に集荷・配送が可能だ。ただし地方部では、小口を数個だけ運んでも赤字を垂れ流すだけだ。

 私は「即日配送が当然となりつつあり、かつ、配送コストの抑制も図らねばならない」と書いた。ネット通販だけではない。今ではリアル店舗で商品を購入しても、当日配送してくれるし、何より送料はタダが当然になった。すべてがタダではないものの、スーパーなどでもたった数百円で運んでくれるところは多い。

 考えれば「送料はタダ」とは、あくまで自分たちが支払う対価がタダなのであって、店舗は配送業者にお金を払っているくらいはすぐに想像できる。ただ、1人の消費者としては、配送コストをほとんど払わない態度が恒常化してしまった。

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「即日無料配送は単なる弱い物イジメ?」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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