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アマゾンのプライムデーはブラックジョークデーか

割引に世界が沸いた(?)日

2015年7月22日(水)

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(写真:CTK Photobank/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムは7月15日に「プライムデー」を開催した。このプライムデーとは、アマゾンの有料会員であるプライムメンバー向けのもの。今回、同社の誕生20周年を祝って、プライムデーを割引セールス日とし、大規模に展開した。日本でもテレビCMが流れていたので、注目していた人が多かったかもしれない。

 その結果、世界ではこの1日に3440万個もの商品が売れた。副社長のコメントから引用してみよう。この日、販売された商品の数は、前年同一日にくらべて、「266パーセント」の増加だった。アメリカではブラックフライデーと呼ばれる感謝祭の時期(かつクリスマス商戦の開始時期)に最も商品が売れる。そのブラックフライデーと比べても、「18パーセント上回っていた」ようだ。この熱狂を秒換算にすると、1秒ごとに「398品が売れて」いったことになる。

 それを受けて、同社の株価も最高値を更新した。さらに、このプライムデーに参加しようと、新規のメンバー登録も増加した。その数は数十万に至る(前述の副社長コメントより)。まさに同社の狙い通りに進行していった。同社は、誕生祭であったプライムデーを一過性のものにせず、毎年恒例のイベントにすると決めた。

 ライバルの中国アリババ集団も同様のイベントを開催している。これまで、ブラックフライデーのように、世間のイベントに合わせて便乗するのが小売業の常だった。しかしこれからは、巨大なインターネット販売業者が自らイベントを作り上げていくのかもしれない。

プライムデーにまつわる誹謗中傷

 さて、数字だけを見ると衝撃的だったプライムデー。アマゾンによると米国の消費者には10分ごとに商品ラインナップの通知が届いた。それに対して他の小売サイトでは、そのアマゾンの価格を逆に利用して、最低価格をうたうところもあった。これは、プライムメンバーではない消費者にとっては訴求力があったかもしれない。ウォルマートは、プライムデーに対抗してセールを行ったが、それでもアマゾンの注目度には及ばなかった。

 しかしアマゾンが注目されるという時、それは必ずしも好意的な注目だけではない。特に今回のプライムデーについて、海外のSNSやメディアの報道をみると、褒め称えるものばかりではない。むしろ、「失望した」と正直に述べているものが多い。

 その理由の多くは、プライムデーの名前から相当な目玉商品を期待していた裏返しのようだ。割引商品は多かったし、お買い得であったには違いない。しかし、商品として消費者が驚くようなサプライズがなかったというのだ。確かにアメリカ人にとっても、タオルが半額になったからといって、「いまさら買うかよ」と思うに違いない。

 そのほか、いまさら感の漂うお菓子が特価販売されていた。「こんなの誰が買うか」というわけだ。実際に買った人はいたかもしれないが、割引している「だけ」の商品はネット上では批判の対象になった。たしかに、CD-R50枚セットが割引販売といっても、クラウドの時代にはなかなか用途はなさそうな気がする。

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「アマゾンのプライムデーはブラックジョークデーか」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長