• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

結局は生産回帰なんてしないのか

消費者は自国製にそこまでこだわらない

2017年8月9日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

(写真=AP/アフロ)

 かつて私は自動車メーカーで勤務していた。自動車は為替によって利益が左右されるといわれる。部品調達だけではなく、完成車の生産も為替によって検討しなければならない。また、実際に頻繁に、国ごとに生産する台数が変化していた。いわば、生産変動が当たり前の世界にいた。

 その後、私は調達業務のコンサルタントになったが、「生産回帰」という言葉の使われ方に違和感を抱いた。というのも、生産回帰というくらいなら、普通は生産の大半が日本に戻ってきているイメージだ。しかし、“一部”の機種の“一部”の生産が、日本に戻ってきているという。その程度なら、自動車では日常茶飯事だ。別に生産回帰として騒ぐほどでもない。

 さらに、“一部”の機種の“一部”の生産は日本に戻っても、全体的な傾向としては、海外生産は拡大しているという。それはほんとうに生産回帰と呼ぶべきものなのか、私は不思議に感じている。

 たとえば「2016 年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」を見てみよう。49ページでは、確かに日本にたくさん生産が戻ってきている、と思いきや、51ページを見ると日本に戻ってきているのはその一部にすぎず、むしろ大半は中国など海外に流出しているのがわかる。トータルでは生産は回帰していないと断ずるほうが適切ではないか。もちろん、全体の傾向は不変でも、少しでも日本に戻ったらよしとする見方もあるかもしれないが。

ウォルマートの製造業回帰宣言

 ウォルマートは「製造業刷新のためのロードマップ(Walmart Outlines Policy Roadmap to Renew U.S. Manufacturing)」を発表した。詳細はポリシーをご覧いただくとして、ワッペンまで作成して掲げている「Walmart INVESTING IN AMERICAN JOBS(ウォルマートは米国の製造業に投資する)」という標語が印象的だ。政府や議会にも協力してほしいところと、小売業界で努力せねばならないところをあげて、米国の製造業全体を底上げするのが狙いだ。

 目標は3000億ドル分の生産を増やすことと、雇用もおなじく150万人分を増やすことだ(なお、これは関連業種の雇用も含めてのもので、製造業のみでは25万人ほどの雇用増を目指すとしている)。なおこれは2013年から開始されたプログラムで、開始当初より、目標値を上積みしたかっこうだ。

コメント5

「目覚めよサプライチェーン」のバックナンバー

一覧

「結局は生産回帰なんてしないのか」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

企業や官公庁の幹部のメールボックスの内容が、まるごと数十万〜数百万円で売られている事例もある。

名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官