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もはや新興国にとどまらない奴隷的労働リスク

日本に「奴隷」は存在するか?

2017年8月23日(水)

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 8月10日、英国のリスクコンサルティング企業であるVerisk Maplecroftが公表した2017年度版現在奴隷指標(Modern Slavery Index 2017)は、昨年欧州連合(EU)加盟国の約3/4の国で「現代の奴隷」リスクが増加したと報告した。

 2015年に施行された英国現代奴隷法(Modern Slavery Act 2015)は、サプライチェーンにおける強制労働や人身売買といった「奴隷制度」を特定し、排除するための取り組みを企業に求めている。英国で事業活動し年間売り上げが3600万ポンドを超える場合、奴隷的労働が、サプライチェーン上で行われていないことを確認し報告することが必要だ。既に日本企業の多くが、対応状況に関する声明をホームページ上で公開している。

 この法律は経済のグローバル化を背景に制定された。世界に展開するサプライチェーンによって引き起こされる奴隷的労働の防止を意図した内容だ。英国内のみならず、拡大したサプライチェーンに含まれる国や地域まで含め、奴隷的な労働による、人権侵害の撲滅をめざしている。英国外の企業でも、本社所在地に関係なく適用される。

もはや新興国だけの問題では無い

 EU諸国でリスクにさらされているのは、戦火を逃れてEU諸国へやってきた移民だ。今回の発表による衝撃は、リスクが高まっているのは新興国ではなく英国に代表される先進国が含まれる点だ。EU域内でサプライチェーンを展開している日本企業は、直接的にリスクが増加する。EU域内のサプライヤーまで含めた確認が必要だ。新興国サプライヤーで行っていた「持続的な調達」を実現するサプライヤー管理を、従来リスクが低いとされていた国々のサプライヤーまで拡大して管理するのは負担が大きい。そして、こういった問題はEU諸国だけにとどまらない。

 奴隷指標では、アジアで中国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイといった国々を「非常に高リスク」又は「高リスク」に分類している。多くの日本企業と密接な関係を築き、サプライチェーンに組み込まれた企業が多い地域だ。こういった国々のサプライヤーには奴隷的な労働を排除し、持続的な調達を実現させる取り組みを続けなければならない。加えて日本国内における奴隷的労働にも注意を払わなければならない。

日本の奴隷的労働の兆候はブラック企業にある

 日本では、公式的には移民の流入が問題になっていない。だからといって奴隷的労働発生のリスクが低いかといえば、話は別だ。日本でも奴隷的労働か? と感じさせる労働の存在が明らかになっている。国内に奴隷的労働? と違和感を覚えるかもしれない。日本では「ブラック企業」と称されている企業がある。ブラック企業とは、厚生労働省のホームページによると、次の3つの一般的な特徴が示されている。

  • ①労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
  • ②賃金不払い残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
  • ③このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う

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「もはや新興国にとどまらない奴隷的労働リスク」の著者

牧野 直哉

牧野 直哉(まきの・なおや)

未来調達研究所取締役

2012年、未来調達研究所取締役就任。現役バイヤーの立場から情報発信を行い、企業の調達・購買部門における取引先管理・サプライヤーマネジメントの専門家。調達・購買の現場に根ざした理論構築を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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