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トランプとヒラリー、産業界にはどっちが良いか

2016年10月19日(水)

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(写真:AP/アフロ)

 米国大統領候補として、ドナルド・トランプ氏とヒラリー・クリントン氏の闘いが熾烈になってきている。いまのところはヒラリー氏が優位であると複数のメディアは伝えている。しかし、これまでの大きな投票の際、事前予想が結果と乖離したケースは多々あった。今回も闘いが終わるまで冷静に眺めるべきだろう。

 さて産業界は、それぞれが大統領に選ばれることで、自分たちにどのような影響が出るのかを気にし始めている。特に小売業界は、両者の発言を注目している。今回は、産業界、とりわけ小売業にとっては、どちらが大統領になるのが好ましいのかについて考えてみたい。

TPPについての両者の見解

 まず、日本でも話題になっているTPP(環太平洋経済連携協定)に関してはどうだろうか。TPPは、Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreementの頭文字を示すことは、よく知られているとおりで、経済の自由化を目的とする。従って、障壁がなくなると売上高の拡大につながる産業は歓迎し、自国内で保護されてきた産業は崩壊の危機だと反対する。

 トランプ氏は日本でも紹介されているとおりTPPに反対で、「米国の製造業にとってデスブロー(最後の一撃)になるだろう("would be the death blow for American manufacturing")」と語っている。さらに、お得意の口調でTPPを批判し、何度もTPPをレイプだと表現している。TPPは、米国をレイプしたい利害関係者がこぞって推進しているもので、かつ裕福な者たちが貧しいものたちを抑圧するためのものだという解釈だ。

 トランプ氏はグローバリゼーションの中では中間層が割を食う立場にあり、TPPがそれに拍車をかけるという。そこには、良くも悪くも、自らがグローバルに利益を得ている経営者としての姿は見つからない。自由貿易を推進する団体は、このトランプ氏の意見について、トランプ氏の経済政策下では、米国製の製品コストが上昇し、求人が減り、経済が弱くなると反論した。

 対するヒラリー氏は、当然ながらオバマ政権下で、もともとTPPに対して好意的だったものの、選挙を前にやや評価を変えてきている。TPPは、彼女の基準を満たしていないとし、今後、細部を詰めるべきだとしている。

 イメージとして、トランプ氏はTPPに反対することで中間層を取り込み、ヒラリー氏は正面から賛成ができないと思っているのか条件付きで留保しているように見える。

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「トランプとヒラリー、産業界にはどっちが良いか」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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