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「今年の一皿」として躍動したムネ肉のこれから

2017年12月6日(水)

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 ぐるなび総研が発表している「今年の一皿」がある。これは、「日本の豊かな食文化を共通の記憶として残していくためにその年の世相を反映した料理を『今年の一皿』として選定」するものだ。

 今年の選定で驚いたのは、「鶏ムネ肉料理」だったことだ。ムネ肉といえばちょっと前までは、安価で、むしろ廃棄されることさえある部位だった。それが日本での栄冠に輝いた。受賞理由を、同総研は、「日本では一般的に『モモ肉』が好まれる傾向にある中、高齢化や健康志向の高まりから、糖質・脂質の過剰摂取を控えてたんぱく質を適正に摂取しようとする人々が増え、『ムネ肉』の高たんぱく・低脂肪の特性に注目が集まった」としている。

 実際にクックパッドなどをはじめとして、レシピサイトでも検索してみれば、ムネ肉を使用したレシピが多いことに気づく。これまで注目されてこなかったムネ肉が世に出るとは面白い。各社ともムネ肉を含む、鶏肉を大々的に取り上げている。

 確かに現在、鶏肉の躍進はめざましい。食肉在庫は一年にわたってまんべんなく、前年同期比から減少をとげた。在庫が減ったということは、それだけ需要過多にある意味を指す。少子高齢化のなかで躍進を遂げているのは賞賛していいだろう。

 とくに昨年から2017年にかけては、コンビニのサラダチキン向けにムネ肉が使われたことも大きかった。鶏肉を提供する各社は利益を伸ばし、順調な企業成績をあげている。

 これまで鶏肉需要は、圧倒的にモモ肉だった。脂肪分が多く、秋から冬にかけては、煮物にも鍋にも使えたからだ。それに日本では、年中、唐揚げに使われることから、モモ肉の方の需要が安定していた。

鶏肉需要拡大のなぜ

 そもそも鶏肉需要全体では、ここ10年で4割ほど上昇するという加熱を見せている。家計調査でも、年々、その支出拡大が確認できる。確かに食肉全体で上昇しているが、牛肉と豚肉が微増の一方で、鶏肉が急増しているのには、次の要因が考えられる。

<消費者理由>
 ●節約志向
 ●健康志向

<供給理由>
 ●もともとのムネ肉の過剰感
 ●品種改善によるパサパサ感の低減による適用食品の拡大

 上記がそれぞれ作用した。

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「「今年の一皿」として躍動したムネ肉のこれから」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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