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中国でライドシェアが拡大する2つの理由

底流にあるこの道一筋を尊重しない価値観と安さに弱い気質

2016年1月28日(木)

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 「最近、以前にも増して6時ピタで帰る社員が増えた。困ったもんだ」。上海で企業を経営する中国人の知人がそう言って苦笑した。「聞かなくても理由は分かっている。マイカー通勤の社員たちの中に、退勤時に合わせて副業をする者が増えたからだよ」。

 社員らのしている副業、それは、自分と同じ方向に帰る見知らぬ人をマイカーに相乗りさせて小銭を稼ぐ「ライドシェア」だ。 

6時ピタ社員激増の理由

配車サービスのスマホアプリ。出勤の行き帰りで稼いだ金額が表示される

 上海で最近、「ライドシェアをやっている」「ライドシェアを使った」と話す中国人の話をよく聞くようになった。ライドシェアと言えば、民泊と並んで、個人の空いている時間や施設、資産を使ってサービスを提供し報酬を得る新しい仕事のカタチ「シェアリングエコノミー」の中でも代表格と言われるビジネスだ。

 中国のライドシェア事情については、日経ビジネスの2015年12月21日号の特集「世界の常識 日本を急襲 シェアリングエコノミー」に詳しいので是非そちらを参照してもらいたいが、シェアリングエコノミーの中でも、クルマの相乗りサービス「ライドシェア」において、中国は世界の先進国で、日本は潮流に乗り遅れているのだそうだ。実際、ライドシェアビジネスの牽引役である最大手のUber(ウーバー)では、世界の乗降数に占める中国の割合が3割を超えるのだという。そこで今回は、なぜ中国でライドシェアの受け入れが進み、日本では進まないのかを考えてみたい。

儲けを出してはダメ?

 中国で現在、ライドシェアを手がける配車サービス会社が提供するサービスには次の3つがある。(1)正規のタクシーの配車。(2)運転手付きでクルマをリースし、客の希望する目的ならどこへでも送迎を行う、日本で言えばハイヤーのサービス。中国語では「専車」と呼ぶ。(3)運転手と同じ方向に行く相乗り客に配車するサービス。中国語では「拼車」と呼ぶ。

 いずれのサービスも、許可を持たないクルマが営利を目的に営業することは禁止されている。このため配車サービス会社は、営業許可を持つリース会社と提携した上で、登録した個人やクルマを使って事業を行うケースが多い。また(1)〜(3)の実施状況は都市や省によってまちまちで、上海では、営業許可を持つ正規のタクシーでも(3)、すなわち相乗りを行うことは認められていない。

 ところが、冒頭で書いた会社の社員たちが副業でやっているのは(3)なのである。営業許可を持たない個人のマイカーでなぜ可能なのか? と思うだろうが、ガソリン代を頭数で割った程度の料金、すなわち運転手が儲けを出さなければいい、というわけなのだ。

コメント3件コメント/レビュー

日本で新しいタイプのビジネスが根付き難い主因は既存の「利権」だと言い切ってよい。ライドシェアは「安全性が確保出来ない」という理由でタクシー業界を保護している。交通違反は営業車であれ自家用であれ同じく罰せられるべきだし、運転時間が長くて事故の可能性が高いなら自動車保険料をあげれば良い。それは既存のルールやビジネスの範囲で対応できているのだ。戦前の全体主義への反省なのか、個人や組織の権利を重視し過ぎで、結果区画整理や道路建設などの公共工事が高いものについている。これが税金を使っての事で、自分の金でないと大切に使わない国民の後進性も影響している。私の町でも幹線道路の拡張が町内多数の同意の下に開始されたが、1軒の家(医師の住居)だけがいつまでも動かず、工期が大幅に伸びた。これで税金を無駄遣いした。土地の所有権や利用権も公共の利益の為にはある程度の制限をするべきだと思う。(2016/06/07 08:56)

「中国生活「モノ」がたり~速写中国制造」のバックナンバー

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「中国でライドシェアが拡大する2つの理由」の著者

山田 泰司

山田 泰司(やまだ・やすじ)

著述業/EMSOne編集長

1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年の上海在住後は、中国国営雑誌「美化生活」編集記者、月刊誌「CHAI」編集長などを経てフリーに。2010年からは、「EMSOne」編集長も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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日本で新しいタイプのビジネスが根付き難い主因は既存の「利権」だと言い切ってよい。ライドシェアは「安全性が確保出来ない」という理由でタクシー業界を保護している。交通違反は営業車であれ自家用であれ同じく罰せられるべきだし、運転時間が長くて事故の可能性が高いなら自動車保険料をあげれば良い。それは既存のルールやビジネスの範囲で対応できているのだ。戦前の全体主義への反省なのか、個人や組織の権利を重視し過ぎで、結果区画整理や道路建設などの公共工事が高いものについている。これが税金を使っての事で、自分の金でないと大切に使わない国民の後進性も影響している。私の町でも幹線道路の拡張が町内多数の同意の下に開始されたが、1軒の家(医師の住居)だけがいつまでも動かず、工期が大幅に伸びた。これで税金を無駄遣いした。土地の所有権や利用権も公共の利益の為にはある程度の制限をするべきだと思う。(2016/06/07 08:56)

先日、北京でタクシーの運転手に話を聞いたところ、ライドシェアのために商売あがったりだとぼやいていました。中国人以外の知り合いの外国人もけっこう利用していて、配車アプリをスマホに入れている友人がかなりいます。安いから乗るというのは中国人だけの特長ではなさそうです。今後さらに普及すると、正規タクシーのドライバーはたいへんでしょうね。(2016/01/28 19:12)

元々かの地ではuberの前から「ライドシェア」の土壌がありましたので親和性が高かっただけでしょう。
上海に住む友人(中国人)は数年前「相乗り」の常連客と結婚しました。(2016/01/28 09:09)

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