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親子2代の中国留学記、スコットランド人が学びに来る理由

北京人・上海人・広東人はどう折り合いをつけているのか

2015年7月23日(木)

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私とMが留学していた1989年の北京・崇文門交差点付近。町はグレー一色だった

 上海でイギリス人の大学生B君の部屋探しを手伝うことになった。きっかけになったのは、7月半ばに届いたベルギー人の女友達Mからのメール。1988年、江蘇省南京の大学に留学していたMは、同じ大学にいたイギリス人と友達になったのだが、その息子、すなわちB君が7月初旬、交換留学生として半年の予定で上海にやって来た。

 ところがあいにく大学の宿舎に空きがない。そこでやむなくアパート探しを始めたのだが、上海の賃貸契約は通常1年。探し始めて2週間経つが、半年でもいいという物件が見つからない。イギリスの大学でも中国語を勉強しているB君は読み書きはそこそこできるものの、会話は実戦の経験不足でほとんどできないに等しく、不動産屋との交渉でも苦労しているようだと彼の母から聞いた。そこで思い出したのが山田のこと。何かいい方法はないものだろうか、ということだった。

 私とMが知り合ったのも中国だった。1989年、私のいた北京の大学に、Mが南京の大学から移ってきたのだ。あれから26年。当時の留学生の息子や娘が大学生になり、留学先に父や母と同じ中国を選んでいるのかと思うと感慨深いものがある。

 それに、部屋を探しているB君はイギリス人だということだが、名前から判断する限り、出身はアフリカのはず。実際にB君に会って尋ねてみるとやはりそうで、両親とも一族の出身はコンゴ共和国で、留学先の南京で知り合い結婚。留学を終えイギリスに戻りB君を生んだ。生まれも育ちもスコットランドのB君は、「私はスコットランド人です」と自らを紹介した。

アフリカ人と中国人、南京で衝突の記憶

 B君の両親が留学していた1989年、南京では、アフリカ人と中国人の習慣の違いやそこから派生した誤解などに端を発した中国人学生数千人によるアフリカ人留学生の排斥運動が起きた。当時、南京にいて中国人とアフリカ人の衝突を目の当たりにしたMは、排斥運動の様子を苦しそうな顔をして「当時、南京にいたアフリカ人は、とても辛い思いをした」とだけ話してくれる程度で多くを語ろうとしない。

 今でも、黒人に対する知識の不足から、彼らの肌の色などについて無邪気に語る中国人が比較的多いという印象を私は持っている。だから当時、南京でアフリカ人排斥運動に直面したB君の両親も複雑な思いを抱いただろうということは想像に難くない。そうした両親の辛い記憶を乗り越え、彼らの息子が留学先に中国を選び、両親もまた彼を送り出したということの意味には大きなものがあると思う。

 1980年代末の中国には、南京に限らず、アフリカから大勢の留学生が学びに来ていた。大半は国費や中国政府が出す奨学金を受けた理系の学生で、まず中国語を習得し、その後、「中国のMIT」と呼ばれる北京の清華大学など理系の大学に進み、建築、土木、機械工学など、国造りに直接役立つような学問を修め帰国するというパターンが多かった。

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「親子2代の中国留学記、スコットランド人が学びに来る理由」の著者

山田 泰司

山田 泰司(やまだ・やすじ)

著述業/EMSOne編集長

1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年の上海在住後は、中国国営雑誌「美化生活」編集記者、月刊誌「CHAI」編集長などを経てフリーに。2010年からは、「EMSOne」編集長も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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