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大閲兵の国家主席よりも市民の壁画がデカい中国

習近平氏の個人崇拝は始まったのか

2015年9月10日(木)

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上海市内の住宅地には、抗日戦争勝利70周年を記念して黒板にチョークで描いたポスターが随所に掲示されている

 いまからちょうど20年前の秋、ある日系企業の駐在員で香港現法の社長を務めていた男性のガイド役で北京に行ったときのこと。「中国にも、名所旧跡の観光にも興味がないんや」と言って、オフの時間にホテルから出ようとしない彼を、北京に来て万里の長城も天安門広場も見ないで帰ったら土産話もできないからと無理やり引っ張り出した。ちなみに当時、中国の大気汚染は今のような深刻な状態ではなく、北京で秋の空の色と言えば、目に染みるような真っ青が当たり前だった。

 その日も見事な晴天で、青い空に、天安門の鮮やかな朱色がよく映えていた。しかし彼は特に感慨もないようで、「もうホンマ、故宮博物院の秘宝とかに興味ないし。外からこうして広場と天安門と毛沢東の肖像画を見ただけで十分なんや」と現地に着いてすぐに帰ろうとする。広場を歩くか天安門に登るかしないとここの広大なスケールを実感できない、歩くよりも登る方が距離が短いから登りましょうと彼を説得し、チケットを買って引きずるようにして天安門に登らせた。

 城壁を上り切って楼閣に立ち、広場を一望できる場所に近づくにつれ、あれだけ渋っていた彼の表情が見る見る変わって行くのが分かった。

 「ほぉ、こら凄いもんやなぁ」「いや、このスケール感は凄いわ。確かにここに登ってみないとこの広大なスケールは分からん」とひとりごつ彼。いまはフェンスで囲まれてしまったけれども、昔はこの広場に100万人が集まって集会ができたそうですよと伝えると、「ふーむ。ここに立って、100万人の群衆を見下ろしたりしたら、『オレの天下や』『この国はワシのものや』とか思ってしまっても無理ないかもしれんなあ」とため息交じりにつぶやいた。

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「大閲兵の国家主席よりも市民の壁画がデカい中国」の著者

山田 泰司

山田 泰司(やまだ・やすじ)

著述業/EMSOne編集長

1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年の上海在住後は、中国国営雑誌「美化生活」編集記者、月刊誌「CHAI」編集長などを経てフリーに。2010年からは、「EMSOne」編集長も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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