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牛の食肉処理場を結婚式場にする中国的発想

「仕事」と書いて「投資」と読むのが中国流

2016年10月13日(木)

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SNH48専用劇場で出待ちする若者たち

 北京の国防省前で10月11日、1000人を超す元軍人によるデモがあったようだ。12日朝現在、中国メディアでこれを伝えているところはないようだが、「日本経済新聞」(12日付)によると、退役後の待遇に対する不満を訴えているらしい。習近平国家主席は昨秋、兵力の30万人削減を打ち出したが、その改革に軍の内部で不満が高まっているという観測もあって、それがデモの背景になっているとの見方もあるようだ。

 今回、元軍人らが集まった国防省は北京の目抜き通りである長安街に面している。習近平氏が兵力削減を打ち出したのは昨年9月の軍事パレードで、これをニュースで観た読者も多いと思うが、天安門の前で閲兵する習氏の前を陸海空軍の兵士や兵器が行進したあの広くて長い通りが長安街である。1989年の天安門事件につながる一連の民主化運動では、100万人と言われる学生らのデモがこの長安街を埋め尽くした。当時、中国に留学していた私はこの年の4月末、この100万人デモを現地で目の当たりにしたのだが、先頭も最後尾も遥かに霞んで見えなかったのを覚えているし、あれほどたくさんの人間をいちどきに見たのもあの日が最初で最後である。

 群衆の持つ脅威を身をもって感じた中国当局は、天安門事件を機に、大勢の人が集まれる場所をつぶし始めた。北京の天安門広場のように中国の都市には町の中心部に集会ができるだだっ広い広場を持つところが多かったのだが、事件後、植え込みを造るなどして面積や空間を減らし、人がむやみに集まれないようにしたのだ。

群衆の正体はSNH48のファンだった

 このような経緯を体感していることもあるのだろうが、私はその後中国の街角で、少しでも大勢の人が集まっているのに出くわすと、あれ、デモかなと、胸がどきついてしまうという癖のようなものがついてしまった。

 つい先週、上海の虹口というエリアに散歩に出かけたときもそうだった。3年ぶりぐらいに通ったある道が再開発ですっかり様変わりし、あったはずの土地勘が役に立たなくなったことにうろたえながら歩きつつある角を曲がると、天安門の民主化運動に参加していた学生らと同じ年ごろと思しき男の子や女の子が大勢集まっているのにぶつかった。すわ何事、と身構えたのも一瞬のこと、日本なら撮り鉄が持つような長尺の望遠レンズを付けた一眼レフを首からぶら下げた子が目立つことに気付き、彼らの「正体」と自分がいまどこにいるのかが分かった。AKB48の姉妹グループ、SNH48の専用劇場でメンバーを出待ちするファンの子たちだった。

 「星夢劇院」と名付けられたこのSNH48専用劇場は元々、租界時代の1932年にやはり劇場として建てられたもの。設計は、重厚な石造りの洋館が建ち並ぶ町並みが上海の代名詞にもなっているバンド(外灘)で大北電報公司ビル(元バンコク銀行)などを手がけたアトキンソン&ダラス設計事務所である。虹口区のホームページによると、1949年の新中国建国後も何度か改名しながら劇場として使われてきたが、老朽化で使われなくなっていたのをリノベーションし、2013年、SNH48専用劇場として再オープンした。

コメント8件コメント/レビュー

中国で長く過ごしていても筆者はやはり日本人なんだな、と思わせる内容でした。この筆者の躊躇いは当に神道的「ケガレ」の意識の発露です。結婚式という清浄な場所と屠殺という穢れが同居することが心理的に許せないのですね(もっと俗っぽく言えば、浴室とトイレが一緒になった西洋風バスルームに対する違和感と同じ)。加えて「御霊信仰」と「アニミズム」の影響もありますね。「苦しんで死んだ魂は祟る」「人間だけでなく動物にも魂がある」⇒屠殺場は「縁起が悪い」、この発想は日本人なら腑に落ちますが、世界では墓石を家の土台に流用するようなメンタリティが普通ですから、中国人だけを悪く言うのはいささか平等に欠けるかと(日本国内で中国人がやらかしたならともかく)。(2016/10/17 17:27)

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「牛の食肉処理場を結婚式場にする中国的発想」の著者

山田 泰司

山田 泰司(やまだ・やすじ)

ノンフィクションライター

1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年の上海在住後は、中国国営雑誌「美化生活」編集記者、月刊誌「CHAI」編集長などを経てフリーに。2010年からは、「EMSOne」編集長も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

中国で長く過ごしていても筆者はやはり日本人なんだな、と思わせる内容でした。この筆者の躊躇いは当に神道的「ケガレ」の意識の発露です。結婚式という清浄な場所と屠殺という穢れが同居することが心理的に許せないのですね(もっと俗っぽく言えば、浴室とトイレが一緒になった西洋風バスルームに対する違和感と同じ)。加えて「御霊信仰」と「アニミズム」の影響もありますね。「苦しんで死んだ魂は祟る」「人間だけでなく動物にも魂がある」⇒屠殺場は「縁起が悪い」、この発想は日本人なら腑に落ちますが、世界では墓石を家の土台に流用するようなメンタリティが普通ですから、中国人だけを悪く言うのはいささか平等に欠けるかと(日本国内で中国人がやらかしたならともかく)。(2016/10/17 17:27)

うーん、この記事に関しては筆者さんには同意しかねます。上のコメントにもあるように、東京にもいわくつきの再開発物件はいくらでもあります。1980年代初頭にホテルニュージャパン大火災で40人ぐらい亡くなりましたが、跡地はどうなったか?怪談もいろいろありましたが、そこには綺麗な再開発ビルが建ってます。ほか、東京大空襲や関東大震災など、東京は家康の江戸開府以来、平均80年周期で数万人-10万人規模の死者が出る大震災、大火災や疫病を経験しています。さて、その都度発生する大量の亡骸はどうしたか?歴史家によると、基本的には川沿いもしくは海岸線に大きな穴を掘って投棄しつづけてきたとのこと。詳しくは筑摩書房の「江戸の町は骨だらけ」をご覧あれ。読めば東京に住むのが嫌になること請け合いです。これにくらべれば食肉処理場の建物再利用なんて可愛いものです。(2016/10/14 17:15)

↓で
>もともとは墓場や江戸時代の刑場だった場所を潰して、
>ショッピングモールなどが建設されることなどめずらしくもない。

筆者が気にしてるのはあくまで屠殺場をそのまま使うことに危惧してるのであって
元○○だった場所なんてだれも気にしませんよ(2016/10/14 05:23)

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新谷 美保子 TMI総合法律事務所弁護士