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「鄧小平は今の習体制をボロクソに言うかも」

東京大学大学院農学生命科学研究科准教授・川島博之氏を迎えて(1)

2017年11月15日(水)

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 10月に開催された第19回中国共産党全国代表大会を経て、2期目をスタートさせた習近平(シー・ジンピン)国家主席。トランプ大統領の訪中においてはその外交術によって大きな不利なく交渉を終わらせ、またその後のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議では、多国間の自由貿易を支持すると述べ大きな賛同を得た。習主席の手腕により、盤石な体制が築かれつつあると感じている向きも多いのではないだろうか。

 その一方で、経済成長も緩やかになる中、中国は問題も抱えている。その中でも最も大きいと考えられるのが、この連載でも幾度となく取り上げてきた国民の中で大きくなる“格差”であろう。先日の「独身の日」にはアリババ集団だけの取引額が1600億元(2兆7000億円)を突破するなど、消費が盛り上がっているのも事実。ただ一方で、そのような繁栄には取り残され貧困にあえぐ人たちが大勢いる。主に消費を盛り上げているのは、都市に戸籍を持つ都会人。農村に戸籍を持つ農民は中国の発展を支えた功労者でありながら、豊かにはなれない。

 都市戸籍を持つ4億人を農村戸籍を持つ9億人が支えるいびつな国家である中国。その実態を紹介した書籍『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』(川島博之著、2017年、講談社)は近著『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』と通ずるところが多くある。今回から3回にわたって、川島博之・東京大学大学院農学生命科学研究科准教授をお招きして中国の近未来について語ってもらった様子を紹介する。

川島博之
東京大学大学院農学生命科学研究科准教授
1953年、東京都に生まれる。東京大学工学博士。専門は、環境経済学、開発経済学。2011年には、行政刷新会議ワーキンググループ(提言型政策仕分け)の評価者を務める。1977年、東京水産大学卒業。1983年、東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得のうえ退学。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、ロンドン大学客員研究員などを歴任。(写真=深澤明、以下同)

山田:本日はよろしくお願いいたします。

 先生ちょっとご覧になっていただきたいものがあるんです。これは先生が執筆された書籍『農民国家・中国の限界』(2010年、東洋経済新報社)です。その当時買って、このように付せんをいっぱい付けて読んでいたんです。まさか先生と対談するようなことになると思っていませんでした。非常に光栄です。

川島:そうですか。ありがとうございます。

山田:私、仕事柄、中国関連の書籍をいろいろ読むのですが、この10年間で読んだ書籍の中で、こちらの本には大変感銘を受けました。

 中国にいると、中国にいなくてもそうかもしれないですが、疑問に感じることがあります。多くの中国人はそんなに収入がない。例えば給料の明細上は3000元(約5万1000円)しか収入がない。そういう人たちがどうして銀座とかで買い物がばんばんできるんだと。説明のつかないことがたくさんあります。

川島:そうですね。

山田:ただし、それについて中国専門家の人が書いたものでちゃんと答を書いてくれているものが本当にないですね。

川島:ないですね。

コメント7件コメント/レビュー

「中国生活「モノ」がたり~速写中国制造」が書籍化したら買いたいと思っていたのですが、『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』といいうタイトルを見て、欲しくなくなってしまいました。

山田氏の案は『3億人の中国農民工 いるのに見えない人々』だったんですね。これなら買ったのに。。。(2017/11/16 16:50)

「中国生活「モノ」がたり~速写中国制造」のバックナンバー

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「「鄧小平は今の習体制をボロクソに言うかも」」の著者

山田 泰司

山田 泰司(やまだ・やすじ)

著述業/EMSOne編集長

1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年の上海在住後は、中国国営雑誌「美化生活」編集記者、月刊誌「CHAI」編集長などを経てフリーに。2010年からは、「EMSOne」編集長も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「中国生活「モノ」がたり~速写中国制造」が書籍化したら買いたいと思っていたのですが、『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』といいうタイトルを見て、欲しくなくなってしまいました。

山田氏の案は『3億人の中国農民工 いるのに見えない人々』だったんですね。これなら買ったのに。。。(2017/11/16 16:50)

上海に在住している者です。
川島先生の中国著書並びに、山田さんの「中国生活「モノ」がたり」や著書をいつも拝見させて頂いております。

今回のお二人の連載について、理解・共感出来る部分が多く非常に為になります。
私も仕事柄、中国国内のアチラコチラに出掛ける事がある事に加え、中国の「本当の姿」を見てみたく、仕事の後に各地方の農村エリアに足を伸ばしております。
農民工(出稼ぎ者)や農村戸籍者、中央政府や長老・習近平の思惑など、私が肌で感じる部分と共感出来る部分がたくさん見受けられました。

こちらの都市部で生活をしていると、この国が社会主義国家であり共産主義を掲げているのを忘れるほど、民主資本主義国家と変わらない日常を感じます。
が、異常と思えるほどのネット規制や、時折急に強権的な取締りがあったりと、フッと「強権・独裁」の文字が頭を過ぎる事があります。

中国に限った事ではありませんが、平和ボケしている日本から世界を眺めても、世界の本当の姿は見えない事を痛感している毎日です。
今はミャンマーに行き、ロヒンギャの本当の姿を見てみたいです。(2017/11/16 12:01)

 なぜか日本に入る中国情報では、「〜を論ず。」などという文言を頻繁にみた記憶がある。いつもこんなムズカシイことを言っているのか不思議だった。

 これはソ連時代のロシアでも言われたことだが、あまりに広大な領地はただ一人の権力だけでは管理するのが非常に困難なのかもしれない。
 複雑に入り組んだ多民族の小国家群を束ねる形は、つねに分裂の危機を秘めている。アメリカでさえ、これまでのような利益を取れなくなったら、どうなるかわかったものじゃない。
 複雑な権力構造内では”人間らしさ”は寝首をかかれることになる。だから同世代のプーチンや安倍首相らは、これまでの政治家とは違うアピールの仕方をしているように見える。
 結局は、イメージではなく、実績としての結果責任を求められつつあるということだろうか。(2017/11/16 10:08)

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三品 和広 神戸大学教授