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「鄧小平は今の習体制をボロクソに言うかも」

東京大学大学院農学生命科学研究科准教授・川島博之氏を迎えて(1)

2017年11月15日(水)

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山田:一番不思議なのはお金の出所なんですよ。なおかつ私は個人的に地方から出稼ぎに来ている農民工の人たちに興味を持っていろいろ話をしている中で、そういう疑問みたいなものがだんだん膨らんできた。そうした中で先生の本を読んだら、土地の開発公社、それとその周辺の人間が土地を転がして大変な富を生み出していると書いてありました。そういったことを統計を読み解いていろいろ教えていただき、本当に目からうろこでした。先生は農業のご専門ですよね。

川島:そうです。

山田:誤解を恐れずに言うと、中国がご専門ではないですよね。

川島:違いますね。アジアの農業と開発が専門です。

山田:だから、かえってそういう大きい視点でご覧になっているから、中国をお分かりになるんじゃないのかなと思ったのです。とにかく日本人は、特にバブルが崩壊してからこの20年、中国のことを冷静に見られなくなっているように思います。1つはやっかみから見られなくなっているという気もします。

川島:私もそう思います。

山田泰司

山田:そうですよね。そのころから例えば反中、嫌中の本がものすごく売れるようになった。だから本当に中国を冷静に見て書かれた、しかも平易に書いている本というのがなかなかなくて。そういう中でこの本に出合って非常に印象に残っていました。

川島:私も中国の農村を度々訪ねていて、実際に見ているんですよ。山田さんも見ているんですよ。ただ、中国関連の書籍を書いている人って、ホテルに泊まって向こうの学者と話しているだけの人が多いんだよね。

 日本の学者の中でそれなりの地位を築くと、日本の科学研究費などで中国と共同研究をやろうと。今は中国もお金を持っているので。中国と10年、20年一緒に仲良くやっていくと、ちょっと悪い言い方だけど向こうのペースに乗せられちゃう。向こうのことをおもんぱかると、実態とか書けないんですよね。

山田:そうですね。

川島:それは私は、不幸だと思うし。私は中国や文科省からはお金はもらっていないし、一番ある意味で冷静なことを書ける。中国に遠慮することないし。そんなことで、最近では『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』を出版しました。

習主席と安倍首相は1歳違い

山田:世代的にいうと、先生は安倍晋三首相と同じ世代ですよね。

川島:同じです。安倍首相は私の1つ下。

山田:そうですよね。安倍首相と習近平国家主席も1歳違いですよね。

川島:だから、私は習主席と同じ歳です。習主席が文化大革命(1966~1976年)の時期に反動学生として下放されていた時代、私も高校から大学の時期に当たるんです。だから、習主席にはものすごく親近感があるというわけではないけど、長い目で習主席がどうなるかを見てみたいと思います。悲観的に見ているんですけど。

山田:私は、安倍首相と習主席が1歳違いでほぼ同世代ということに非常に関心があります。ほぼ同時期に、同じ時代にあの2人が中国と日本で台頭してきたということに、共通する背景がないのかなと。ただ、それを政治家に直接取材するわけにいかないので、同じ年代の市井の人たちをインタビューすることで何か浮かび上がってくるのではないかと考えていて、次の仕事にしようとも思っているんです。

川島:今の64歳ね。

山田:先生は同じ世代としてどのようにお考えですか。

コメント7件コメント/レビュー

「中国生活「モノ」がたり~速写中国制造」が書籍化したら買いたいと思っていたのですが、『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』といいうタイトルを見て、欲しくなくなってしまいました。

山田氏の案は『3億人の中国農民工 いるのに見えない人々』だったんですね。これなら買ったのに。。。(2017/11/16 16:50)

「中国生活「モノ」がたり~速写中国制造」のバックナンバー

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「「鄧小平は今の習体制をボロクソに言うかも」」の著者

山田 泰司

山田 泰司(やまだ・やすじ)

著述業/EMSOne編集長

1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年の上海在住後は、中国国営雑誌「美化生活」編集記者、月刊誌「CHAI」編集長などを経てフリーに。2010年からは、「EMSOne」編集長も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

「中国生活「モノ」がたり~速写中国制造」が書籍化したら買いたいと思っていたのですが、『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』といいうタイトルを見て、欲しくなくなってしまいました。

山田氏の案は『3億人の中国農民工 いるのに見えない人々』だったんですね。これなら買ったのに。。。(2017/11/16 16:50)

上海に在住している者です。
川島先生の中国著書並びに、山田さんの「中国生活「モノ」がたり」や著書をいつも拝見させて頂いております。

今回のお二人の連載について、理解・共感出来る部分が多く非常に為になります。
私も仕事柄、中国国内のアチラコチラに出掛ける事がある事に加え、中国の「本当の姿」を見てみたく、仕事の後に各地方の農村エリアに足を伸ばしております。
農民工(出稼ぎ者)や農村戸籍者、中央政府や長老・習近平の思惑など、私が肌で感じる部分と共感出来る部分がたくさん見受けられました。

こちらの都市部で生活をしていると、この国が社会主義国家であり共産主義を掲げているのを忘れるほど、民主資本主義国家と変わらない日常を感じます。
が、異常と思えるほどのネット規制や、時折急に強権的な取締りがあったりと、フッと「強権・独裁」の文字が頭を過ぎる事があります。

中国に限った事ではありませんが、平和ボケしている日本から世界を眺めても、世界の本当の姿は見えない事を痛感している毎日です。
今はミャンマーに行き、ロヒンギャの本当の姿を見てみたいです。(2017/11/16 12:01)

 なぜか日本に入る中国情報では、「〜を論ず。」などという文言を頻繁にみた記憶がある。いつもこんなムズカシイことを言っているのか不思議だった。

 これはソ連時代のロシアでも言われたことだが、あまりに広大な領地はただ一人の権力だけでは管理するのが非常に困難なのかもしれない。
 複雑に入り組んだ多民族の小国家群を束ねる形は、つねに分裂の危機を秘めている。アメリカでさえ、これまでのような利益を取れなくなったら、どうなるかわかったものじゃない。
 複雑な権力構造内では”人間らしさ”は寝首をかかれることになる。だから同世代のプーチンや安倍首相らは、これまでの政治家とは違うアピールの仕方をしているように見える。
 結局は、イメージではなく、実績としての結果責任を求められつつあるということだろうか。(2017/11/16 10:08)

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三品 和広 神戸大学教授