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今の中国って「ジュリアナ消滅直前」の感じかな

東京大学大学院農学生命科学研究科准教授・川島博之氏を迎えて(3)

2017年11月17日(金)

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 絶望的な状況に置かれた中国の農民の姿を描いた書籍『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』を執筆した川島博之・東京大学大学院農学生命科学研究科准教授との対談も今回で最終回。都市戸籍を持つ4億人が農民戸籍を持つ9億人から搾取するといういびつな構造を持つ中国。今後、農民たちは希望を持って生活することができるのか。

(前々回の記事「鄧小平は今の習体制をボロクソに言うかも」から読む)

(前回の記事「習近平が恐れるのは中産階級の離反」から読む)

川島 博之
東京大学大学院農学生命科学研究科准教授
1953年、東京都に生まれる。東京大学工学博士。専門は、環境経済学、開発経済学。2011年には、行政刷新会議ワーキンググループ(提言型政策仕分け)の評価者を務める。1977年、東京水産大学卒業。1983年、東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得のうえ退学。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、ロンドン大学客員研究員などを歴任。(写真=深澤明、以下同)

山田:中国がそろそろ限界なのは間違いないと思います。では、どうしていくかなんですけど。

川島:日本では、バブルの象徴ともいえる、ジュリアナ東京がなくなったのが1994年だったけど、中国はまだその前ぐらいの感じじゃないかなと思います。日本でもそのころは、バブルがはじけるとは感じていなかった。日本はお尻に火がついたのは1997年です。山一証券がつぶれた。ただ、中国だったら山一証券をつぶしませんから。公的資金で救済するような形でいくから。

 だから今は1992年、1993年くらいだと思うね。ちょっとやばいかな、でも政府が何とか、やってくれるよねと。大学生も、だからまだ朝まで踊れていた。そんな感じで。中国の場合、そういう意味では国にはかなりの余剰があるので、そこを使って陰で支えていけば、日本のバブルの崩壊みたいなのは防げると。だらだらだらだらバブルの崩壊しない状態が続くと私は思っていますね。

山田:金融政策と財政出動ですね。

川島:今の習近平(シー・ジンピン)国家主席の最初のときからそうなんですよね。何もしなかったら山一証券や日本長期信用銀行がつぶれたような日本みたいに、大変なことになる。ところがそこでうまくやっちゃうから。いつの間にかホワイトナイトが現れたと言って収まっていくというのは、そこはつぶさない技術です。

 だけど、これは私だけじゃなくて多くの人が言っているんだけど、もう成長しない状態で変な金融政策によりずるずる延ばしていっても、病が重くなるだけだ。やめると痛いからやめないんだけど、じゃあ、永遠にできるのといったら永遠でもない。でも明日には壊れないし、明後日も大丈夫そう。そういうことだよね、今、やっているのは。

コメント25件コメント/レビュー

上海の改革解放の動きから一人っ子政策、都市戸籍と農村戸籍の動きを見ていく中で
今回の記事はその現状を示しており、興味深く拝読しました。
現在の中国は製造輸出バブル⇒不動産バブルを経由してITバブルになってますね。
バオバブと元締めのアリババが一つの成功例として農村戸籍の夢になっている。

将来の中国や農村工をどうしていいか分からない、という締めくくりがありました。
一点視点を付け加えると、中国特有の軍事面からの視点かなと思います。
「軍区」として各地方に一つの国家然とした権益集団がある。という実状は中国の内憂の一つであり
将来的には独立運動の発端になるとも言われています。

都市戸籍は農村戸籍を差別⇒農村戸籍の多く属する軍人を差別、という点がありますが、
9億のマンパワーを抱えることもできる軍区の台頭は経済面とは全く異なるロジックで勢力を
持っており、都市戸籍側に属する一部階級にとっては潜在的な恐怖・リスクであるが故だと
考察致します。(2017/11/26 18:59)

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「今の中国って「ジュリアナ消滅直前」の感じかな」の著者

山田 泰司

山田 泰司(やまだ・やすじ)

著述業/EMSOne編集長

1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年の上海在住後は、中国国営雑誌「美化生活」編集記者、月刊誌「CHAI」編集長などを経てフリーに。2010年からは、「EMSOne」編集長も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

上海の改革解放の動きから一人っ子政策、都市戸籍と農村戸籍の動きを見ていく中で
今回の記事はその現状を示しており、興味深く拝読しました。
現在の中国は製造輸出バブル⇒不動産バブルを経由してITバブルになってますね。
バオバブと元締めのアリババが一つの成功例として農村戸籍の夢になっている。

将来の中国や農村工をどうしていいか分からない、という締めくくりがありました。
一点視点を付け加えると、中国特有の軍事面からの視点かなと思います。
「軍区」として各地方に一つの国家然とした権益集団がある。という実状は中国の内憂の一つであり
将来的には独立運動の発端になるとも言われています。

都市戸籍は農村戸籍を差別⇒農村戸籍の多く属する軍人を差別、という点がありますが、
9億のマンパワーを抱えることもできる軍区の台頭は経済面とは全く異なるロジックで勢力を
持っており、都市戸籍側に属する一部階級にとっては潜在的な恐怖・リスクであるが故だと
考察致します。(2017/11/26 18:59)

感想
「中国人を豊かにしてやれ。豊かにしてやれば戦争しようと思わなくなる。」と本田宗一郎は言った。意図はおそらく。豊かになれば、人の物を取ったりせずに自分の物を守ろうとする。守るものが多ければ、争って失うことを恐れる。守るべきものが無ければ自暴自棄、容易に人から奪ってでも得ようとする。(まさに革命精神「あらゆる手段を使って、今すぐ!」ですね。)お人好しの日本は、馬鹿にされながらも中国に4億人の守るべきものがある人々を作った。(しかも、それぞれに大事な大事な子どもは1人しかいない。=戦争で一人っ子出しますか?。)問題は後の9億人だ。彼らはいったいいちろ政策にそって、海外に棄民(きみん、日本も終戦直後海外に移民を奨励し中南米などに日本人をほかした。)されるかもしれない。「さあ、行った先でチャイナタウンを作りましょう!。」棄民先の国の中国政府による経済支配と植民地化の先兵として屯田兵あるいは満蒙開拓団のように「狭い中国には住みあいた。」をスローガンに1人10万円ぐらいつけて捨てられるかもしれないなー。と思った。「農民工は彼らで、我われでは無い。農民工は人間じゃない人間は都市戸籍の我々だけだ。」と言ふ中国大都市住民の意識が確かめられ良い記事でした。(2017/11/24 01:42)

それと、文化大革命、あれをどう評価するか?でしょうね。別なコラムでも
コメントしましたが、文化大革命のさ中に10代を過ごした人間は、中国をどう
動かしていくだろうか?と思っていましたが

 改革開放が始まる少し前の日本の新聞記者は文革による辛酸を嘗め尽くした世代が
その切実な体験を教訓としてもっと賢明に。もっと平和的に、運営してくれるのでは
と期待を示し。中国在住の日本人作家は文革世代の何でもアリのモラル欠如から信用
ができない世代と切って捨てました。
 そして、別な”中国本”の中では、文革前に国家指導層を構成していた人間と
その家族たちの考えとして、一夜にして、党の幹部としての誇りも面子も踏みつけに
され、見ず知らずの暴徒群衆に小突き回されて大衆集会に引きずり出され、自己批判
を強要され三角帽を被せられてトラックの荷台に載せられて市中を引き廻された
経験。家族も同じような目に遭い。そこで得た教訓は「党の統制を国の隅々にまで
及ぼし2度と下層大衆の乱暴狼藉を政治権力が利用し、公認することを許して
はならない。」なのだそうです。

 習主席が全てを毛沢東式に回帰させること。そのために個人崇拝にまで到ろうかと
言う強迫観念には絶対的な政治権力を手に入れないと決して身の安全は得られない
と言う想いがあるからだ・・・と

  第2次天安門事件もチベットも法輪構も同じ危惧からの処置ではありませんか(2017/11/19 22:21)

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三品 和広 神戸大学教授