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無印良品的なものが薄める中国の毒と魅力

劣悪な環境に疲れた中国人が求め始めた静かな暮らし

2015年12月10日(木)

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間もなく上海にオープンする無印良品の世界旗艦店

 『日経ビジネス』(2015年11月23日号)の特集「勝ち組が見るニューチャイナ」を読んだ。中でも、良品計画の展開する「無印良品」(以下無印)が最近とみに中国で伸びている背景として、見栄を張らず、自分の満足を高めてくれるモノやサービスにお金を使う「脱・見栄消費」を求める上位中間層の存在と拡大がある、という指摘は興味深かった。

 個人的経験として、かつて中国人にあげる日本土産として、無印の文房具がとても重宝したのを思い出す。私は2001年、「上海でライフスタイル提案型の雑誌を出したい」という関西のとあるアパレル企業の意向を受け上海にやって来て、以来、今日まで住み続けている。中国は外資が独資で雑誌を出すことを禁じていたので、提携相手の出版社や雑誌社を探すところから始めたのだが、その際、交渉に出てくる編集者に、東京の無印で見つくろって買った蛍光ペンを、やはり無印のペンケースに入れてあげるととても喜ばれたのを思い出す。詳しくは覚えていないが、全部合わせても1000円程度で済むため、こちらのお財布にも優しいお土産だった。

相手を選んだ無印のお土産

 ただ、無印の製品は、当時の中国では、とても相手を選ぶお土産だった。喜んでくれるのは、カルチャーやファッション担当の編集者で、かつ、「視察で行ったロンドンにも無印の店舗があったのを覚えている」というような人物に限られたからだ。しかも、同じ出版社や雑誌社の人間でも、経営畑一筋というような人たちには、無印のありがたみは一切、分かってもらえない。「これはどこそこの製品ですよ」と他人にアピールするブランドのロゴもなく、アースカラー中心の、無駄をそぎ落としたデザインのシンプルな無印の製品は、有り体に言えば「地味」で「貧乏くさい」ととらえられた。

 「見栄第一」の中国人からは最も遠い、それが当時の無印だった。1980年代後半に中国人への日本土産として流行ったパンストやライター、ボールペンといったモノなら欲しい人はたくさんいたから、もらった人自身に興味はなくても、周囲の人にバラまけば喜ばれたが、無印はほとんどの人が興味を持たないからそれもない。良品計画が中国1号店を出したのは2005年とのことだが、それほどウケていたという印象もない。

無印を支えるのは上位中間層のみなのか

 その無印がここ数年、中国でウケ始めている。しかも、上海、北京、広州といった沿海の大都市だけでなく、内陸の中規模都市でも受け入れられているのだという。

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「無印良品的なものが薄める中国の毒と魅力」の著者

山田 泰司

山田 泰司(やまだ・やすじ)

著述業/EMSOne編集長

1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年の上海在住後は、中国国営雑誌「美化生活」編集記者、月刊誌「CHAI」編集長などを経てフリーに。2010年からは、「EMSOne」編集長も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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