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ヒラリー候補は本当に傲慢でリーダー不適格?

女性リーダーに対する無意識の罠

2016年8月31日(水)

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米国大統領選の民主党候補として正式指名を受けたヒラリー・クリントン氏(写真:ロイター/アフロ)

 2016年7月26日、米民主党が全国党大会でヒラリー・クリントン氏を11月の大統領選の党候補に正式指名したことは、オバマ大統領が語ったように「ガラスの天井を突き破る」かもしれない歴史的な一歩です。

 しかし、米大統領選では、ヒラリー・クリントン氏が傲慢に見えることや感情的でリーダーには不適切だと批判する声や、もし大統領になったとしても、国民の支持がない弱い大統領になるだろうという記事が、連日新聞やネットを賑わせています。

 本当に、ヒラリー・クリントン氏は傲慢で感情的でリーダーにふさわしくない人物なのでしょうか?

男性的にふるまう女性リーダーに対して反発が起きやすい

 私は2008年にGE(General Electric)インターナショナルの戦略・事業開発本部長に就任した際、GEのCEOであるジェフ・イメルトさんのエグゼクティブ・コーチからいくつかの論文や新聞記事を渡されました。その中にあったある調査を基に、女性が男性リーダーのように振る舞うことの危険性について説明を受け、「成功している女性エグゼクティブは、男性的資質と女性的資質をうまくミックスさせている」と教えられました。

 この分野の研究はさらに進み、米ラトガース大学のランドマン教授らが2012年に論文にまとめています(1)。私は2009年に、ランドマン教授らの研究に参加したことで詳しい内容を知り、組織内での動き方を考えるのに重要な気付きを得ました。

 この論文では、「男性が上、女性は下という暗黙の『性的地位』が我々の中にはあり、それと食い違う行為を行う女性は反発を受ける」ことを検証しています。特に興味深いポイントは、1)男性と女性の望ましい・望ましくない特性が異なること、2)社会的上位者に求められる特性が、男性に求められる特性と近いことの2点です。

1)男性と女性の望ましい・望ましくない特性が異なる

 論文では、「男性にとっては望ましいが、女性にはそうではない」特性として、「キャリア志向、リーダーシップ能力、好戦的、自己主張が強い、自立している」などが挙げられています。また一方で、「女性にとって望ましいが、男性にはそうではない」特性は、「感情的、優しい、子どもへの関心、周囲への気遣い、いい聞き役」などが挙げられています。

2)社会的上位者に求められる特性が、男性に求められる特性と近い

 リーダーなどの社会的に上位者に求められる特性が、男性に求められる特性と近いことも、リーダーシップポジションに就く女性は知っておいたほうがよいでしょう。「ビジネスセンス、高い自尊心、キャリア志向」などが社会的地位の高い人が持っている特性だと考えられています。それらは男性に求められる特性にすべて入っています。

(1)Laurie A. Rudman, Corinne A. Moss-Racusin, Julie E. Phelan, Sanne Nauts, “Status incongruity and backlash effects: Defending the gender hierarchy motivates prejudice against female leader”, Journal of Experimental Social Psychology, Vol.48, No.1, January 2012, pp.165-179.

コメント5件コメント/レビュー

アメリカですら、女性だからという理由でクリントン候補がバッシングを受けるのか、と驚いた。小池都知事も同じような理由でいろいろと攻撃されておられますが、日本に限ったことではなく、世界共通の問題ということなのでしょうか。(2016/08/31 15:58)

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「ヒラリー候補は本当に傲慢でリーダー不適格?」の著者

秋山 ゆかり

秋山 ゆかり(あきやま・ゆかり)

事業開発コンサルタント・声楽家

ボストン・コンサルティング・グループの戦略コンサルタントを務めた後、GE Internationalの戦略・事業開発本部長、日本IBMの事業開発部長などを歴任。コンサートのプロデュースや演奏も行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

アメリカですら、女性だからという理由でクリントン候補がバッシングを受けるのか、と驚いた。小池都知事も同じような理由でいろいろと攻撃されておられますが、日本に限ったことではなく、世界共通の問題ということなのでしょうか。(2016/08/31 15:58)

現状認識して、それをどう乗り越えるかという方法論なのでしょうが、冒頭の男と女の認識の違いは1000年経っても生物である以上変わらないと思います。完全なジェンダーフリーを物理的に達成しないことには、無理だと思います。女性が子供を産むことから解放されることです。人工授精から人工胎児育成というSF的な子供の育成システムを作り上げ、女性が出産から開放されれば、物理的な男女平等が達せられましょう。女性が子供を産まなければ、肉体的精神的な男女差もどんどん縮小しましょう。生物として女が子供を生まなければ、生物として男は不要となります。萎縮した男に女を暴力的に支配する力はなくなる。蜂や蟻のようなオスを使い捨てにする女系社会が実現するのでは。女性はそれを目指すべきではないでしょうか。(2016/08/31 15:24)

昇進するまでとした後で自信や積極性を見せるパーセンテイジを変えるという助言は、大変分かりやすく感じました。アメリカですらそうなのですから、日本のような旧態然とした男性社会の中で女性が安定したキャリアを築くことは簡単ではありませんね。「日本に良い女性リーダーがいない」のは、これまで育ててこなかったからだと思います。男性であれば好ましく思われるリーダーシップに必要な特質をもった女性を、心から歓迎し伸ばそうとしてきたかどうか。人間だれしも多少のバイアスはもっているのですから、それを認めることから始めなければと思います。(2016/08/31 13:38)

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