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水の都・東京、川風に吹かれて怪談の旅

萌える! 進化を続ける東京湾・運河クルーズ

2015年8月28日(金)

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 以前、隅田川はなぜパリのセーヌ川やベトナムのハロン湾になれないのか、日本の海洋観光の課題と可能性を探りました。そこから1年、最新の東京湾・運河クルーズを取材しました。予想外に“萌える”東京湾・運河クルーズ、その楽しさと可能性を皆さんにも知っていただきたく、今回はその体験レポートをお届けします。

運河を航行する船上で「怪談」を講談する神田すずさん。屋根のない船の上での講談ははとバスツアーだけとか。

夜の船上で聞く怪談噺 水上から見る魅惑的な東京

 はとバスでは1999年より「怪談ツアー」を企画しており、2015年度は「講釈師と行く夜の怪談ツアー」のほか、お寺で朗読劇を聞く「怪談の夕べ」ツアーが企画されました。今回は、その中から夕刻に日本橋桟橋を出発する怪談クルーズに参加させて頂きました。正直、怖い話はちょっと苦手な上、首都高が覆いかぶさった日本橋には暗いイメージしかなく、クルーズ取材の一環で、参考までに見てみようくらいのスタンスでした。

 しかし、出発時刻の19時が近づくにつれ、夕暮れの日本橋は昼間とは全く違う姿へ変わっていきました。昼間はほこりを被ったような灰色の日本橋は姿を消し、欄干のキリンの彫刻の上に灯るレトロな街灯は実に優美で、桟橋へ下りて日本橋を見上げるとその天井にはアートのような光の造形が浮かび上がります。日本橋ってこんなに美しい街だったんだ、と思わずつぶやきました。

写真左:日本橋川にかかる日本橋の下にある日本橋桟橋を19時に出発する「怪談クルーズ」。運河体験と船上での講談「怪談噺」を楽しむ。右:日本橋桟橋を離れると首都高の下をしばらく進み、その後、開けた空間に出る。 

 はとバスの怪談ツアーの参加者は、四谷怪談のモデルとなった「四谷お岩稲荷」や幽霊画で知られる「谷中全生庵」を巡り、豆富料理の夕食の後、日本三大怨霊の1つ「将門の首塚」を廻り、日本橋でバスを降りると講談師や運河探検のガイドとともに船に乗り込みます。19時、船が出発するとガイドは川の両岸にある建物や運河を彩る橋の由来や面白エピソードなどを聞かせてくれます。

 日本橋の上を通る首都高は景観的には鬱陶しいだけのようにずっと思ってきましたが、天井のない船から夜の首都高を見上げると、それはそれで東京ならではの景色、東京ならではの体験なのかもしれません。日本橋川の上にかかる巨大な鉄とコンクリートの構造物。江戸橋ジャンクション辺りでは、接続形状は何層にも重なり、また分岐しており、それを仰ぎ見ているとテンションは一気に上がります。

 日本橋川から隅田川に出ると今度は美しい橋の饗宴が待っています。青く浮かび上がる「永代橋」、ピンクの「清洲橋」の向こうには東京スカイツリーも見えます。日本橋川では静かだった波も東京湾に近づくにつれ、水面は波立ち少し船が揺れますが、その変化も面白く、行き交う船も増えます。船の色や形もそれぞれ違い、それもまた楽しいものです。

写真左:隅田川にかかる「相生橋」、右:「永代橋」。夜ライトアップされた姿、船上からの景色は格別。

 運河探検クルーズの後は、この後始まる講談のため、船の往来の少ない小さな水路へ入っていき、橋の真下に船を留めます。橋の下は真っ暗で、トンネルの中のように音が響くため、マイクがなくても声が通ります。

 今回、講談を務めるのは講談師の神田すずさんです。すずさんは2006年女性講談師の神田すみれさんに入門。前座見習いから、同11月に前座、2010年二ツ目(講談師の階級は真打、二ツ目、前座の3つ)となりました。講談師になったきっかけは友人に誘われて行った落語の会で、その後、神田すみれさんの講談教室に入ったことでした。

 船には釈台が用意され、前に座ると、最初に講談で使う道具について簡単に説明します。演目の怪談噺にふさわしく、釈台の上に置かれた青白いライトがすずさんの顔を下から照らします。川風にふかれ、東京湾の運河と一体となったライブは普段なかなかできない体験です。

 すずさんは屋形船やもっと大きなクルーズ船でも講談をした経験があるそうですが、こうした屋根のない船での講談ははとバスの怪談クルーズだけだそうです。確かにこれが屋根のある船なら、室内の劇場で見るのとそう変わりません。そのあたりの演出が、人気コースを生むはとバスの企画力の肝なのでしょうか。

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「水の都・東京、川風に吹かれて怪談の旅」の著者

水津 陽子

水津 陽子(すいづ・ようこ)

合同会社フォーティR&C代表

経営コンサルタント。合同会社フォーティR&C代表。地域資源を活かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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