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水の都・東京、川風に吹かれて怪談の旅

萌える! 進化を続ける東京湾・運河クルーズ

2015年8月28日(金)

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 はとバスでは冬になると「赤穂浪士のコース」を運行しているそうで、そこでも講談ライブが行われています。1971年にスタートし、40年以上も続く人気コースだそうです。

 今回の怪談クルーズは、東京の運河の新たな可能性にも気づかせてくれるものでした。

 世界遺産のベネチアの運河ではゴンドラで細い水路を巡り、水夫がカンツォーネを謳ってくれます。ベネチアの街は運河に向いて作られ、レストランの一等席は運河に向いています。普通の家の窓にも花が飾られ、水路を巡る旅は本当に美しく、思い出に残ります。

 ここ数年、日本橋は魅力的なまちに生まれ変わり、日本橋の景観の復興を求める声も大きくなっています。確かに首都高は鬱陶しい障害物に思えます。しかし、船に乗って感じたことは、21世紀の東京の運河から見る首都高は東京という都市ならではの造形や景観なのだということでした。そう思って見ると、見直すべきは首都高ではなく、運河にお尻を向けた殺風景な建物や沿岸の景観の魅力不足の方にあるのかもしれません。もっと運河に向いて店の明かりや人の姿があれば、東京の運河クルーズは優雅に美しいものになり、今よりもっと運河に人が集まるようになるのではないでしょうか。

 時に俯瞰し、時に仰ぎ見て、視点を変えることでものの見え方も大きく変わる。今回のクルーズは改めてそれを教えてくれる機会となりました。

2015年、進化を遂げた東京湾クルーズ

 一方、東京湾のクルーズ事情も変化を遂げつつあります。現在、東京湾クルーズを行う事業者・船舶は、はとバス系列のシーライン東京が日の出ふ頭から運航する「シンフォニークラシカ」と「モデルナ」、東海汽船グループの東京ヴァンテアンクルーズが竹芝桟橋から運航する「ヴァンテアン」、日本郵船系列のクリスタルヨットクラブが天王洲アイルから運航する「レディクリスタル」の4隻があります。

東京湾クルーズ比較
運行会社等 全長・最大定員 コース数・時間等
シンフォニークラシカ シーライン東京
(はとバス)
70m、450名 定番4コースのほか、季節限定コース
運航時間50-150分
シンフォニーモデルナ 83.2m、600名
ヴァンテアン 東京ヴァンテアンクルーズ(東海汽船) 64.83m、700名 ランチ・トワイライト・ディナーの3コース、
運航時間120-140分
レディクリスタル クリスタルヨットクラブ(日本郵船) 46.5m、190名 8コース(記念日・同窓会プランなども)
運航時間60-150分
屋形船 現在、東京屋形船連合会に登録の事業者は52
シーバス(水上バス) 東京都観光汽船、東京都水辺ライン(東京都公園協会)
隅田川NPO等 水都東京を創る会、江東区の水辺に親しむ会、和船友の会など
※最大定員には乗務員も含む

 中でも「シンフォニークラシカ」は1989年に東京湾初のレストランシップとして運航を開始。就航から26年となる今年4月から、パノラミックに東京湾クルーズを楽しめるよう開放的なデッキやバルコニーを備えた船へとリニューアルされました。

 リニューアルされた船内はバリアフリー対応、エレベーターや障害者用トイレを整備するなど機能面での充実を図るとともに、バーラウンジとデッキの仕切りをなくし、一体となったパノラマデッキでより優雅なクルーズを楽しめる空間演出にしました。

 バーラウンジで奏でられる音楽の生演奏を聴きながら、開放的なデッキで海風に吹かれてお酒を飲み、東京湾の景色を眺める。デッキ後部に新設されたロマンスバルコニーに立てば遮るものは何もなく、螺旋階段から最上階のスカイビューに上がれば、上空を飛んでいく航空機やレインボーブリッジに手が届きそうです。

 こうした空間ができたことで新たなクルーズ商品も誕生しました。普段の航路とは異なり、羽田空港に最接近し、頭上を飛ぶ航空機を間近に見ることができる「羽田空港沖クルーズ」は他にない魅力的な商品です。夏は花火、秋には月見とダイナミックなパノラマクルーズ商品が企画されています。サービスの面では食の見直しも図られています。白神山地の生ハムなど、こだわりの食の提供、高齢社会や訪日客の増加にも対応した和食メニューなどの充実も見られます。

写真左:リニューアルが完了したシンフォニークラシカ。右:パノラマデッキ
写真左:シンフォニークラシカから見る東京湾の夜景。中:バーラウンジとデッキの間のドアを取り払い、音楽の生演奏を聴きながら、デッキで景色を眺めながらお酒を楽しむ。右:白神山地の生ハムなど、ここでしか楽しめない料理を提供。

 シーライン東京は1988年設立。当時、臨海地区が開発される中、東京湾を観光に利用することを目的としてはとバスグループの一員として誕生しました。翌89年、建造費10億円をかけ、新造船シンフォニーの営業を開始するに至りました。

 それまで東京湾の船といえば、「屋形船」のほかは移動手段を主とするシーバスやフェリーなどがあるだけでした。時はバブル期、本格的なフランス料理を提供するレストランシップは人気を呼び、連日予約で満席の状態が続いたといいます。92年にはシンフォニーⅡ(後にモデルナと改名)を新造。バブル崩壊後、一時売り上げは減少したものの、乗船者数とともに回復し、2013年には30万人を突破するに至りました。

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「水の都・東京、川風に吹かれて怪談の旅」の著者

水津 陽子

水津 陽子(すいづ・ようこ)

合同会社フォーティR&C代表

経営コンサルタント。合同会社フォーティR&C代表。地域資源を活かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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澤田 秀雄 エイチ・アイ・エス会長兼社長、ハウステンボス社長