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急増する狩猟女子、国産ジビエの意外な潜在力

「野生復帰計画」(京都府美山町)

2015年12月10日(木)

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京都府南丹市美山にて、山で鉄砲を構える女子猟師
※画像は全て、株式会社野性復帰計画より提供いただいています

 今年10月、京都で3日間に渡り「第3回狩猟サミット」が開催されました。参加者は幅広く、北海道から九州まで32都道府県からゲスト・スタッフを含め総勢177名。参加者の年齢は20代30%、30代40%、40代18%と若く、平均年齢は35.1才。このうち女性の参加者が46名(25.9%)を占めました。ここ最近、様々な分野で「〇〇女子」がもてはやされ、狩猟女子も存在は知っていましたが、ここまで本格的なブームとは思っていませんでした。

 初日は開会式の後、講演やプレゼンなど夜までプログラムが組まれ、二日目も朝から分科会、夕食をはさみ、交流会へ。会場ではあちこちで活発な議論や情報交換が行われ、交流は深夜23時まで続きました。近頃、若者の話題といえば「ゆとり」や「さとり」ばかりが言われますが、この日会場で垣間見た姿はそうしたイメージとかけ離れた興奮と熱気に満ちたものでした。

 第1回の狩猟サミットが開催されたのは2013年。岐阜県の里山保全組織「猪鹿庁」が、「狩猟に対する社会の関心の高まりを一過性のブームに終わらせたくない。地域の里地里山の暮らしに狩猟を根づかせたい」と郡上市で開催したのが始まりです。その後、第2回はエコツーリズムの先駆、静岡の「ホールアース自然学校」が、第3回は日本のグリーンツーリズムの先駆、京都府南丹市美山町の「田歌舎」と「野生復帰計画」が中心となった実行委員会がバトンを受け、持ち回り開催しています。

 関西では今、ほとんどの森で奥山に入るほど獣の影がないといいます。サミットのアジェンダは第1回には狩猟の方法や銃の管理、ジビエ料理など狩猟そのものが中心でしたが、回を重ねるごとに「適切に自然を利用し、循環させる手法」としての狩猟、狩猟を軸とした「自給的な暮らしのあり方、それを支える生態系のあり方」を模索するものへシフトしています。今回は「自然を守り活かす、生き方暮らし方」がメインテーマに掲げられました。

 参加者には狩猟免許を持たない人が4割含まれ、属性も学生や教育関係者、行政、料理人、狩猟に興味がある人など様々です。目的も近年増える害獣対策としてのジビエ料理の活用、地方への移住や自給自足生活への憧れ、趣味や学術研究など、人によって異なります。

熱気に包まれる「第三回狩猟サミット」。3日間昼夜を問わず、様々なテーマで講演、資料展示、プレゼンやディスカッション、交流会や販売会などが開かれた。会場は「あうる京北(京都府立ゼミナールハウス)」

 それにしても何故、今これほど若者や女性が狩猟に惹きつけられるのか。狩猟女子の本やブログを見ると、東日本大震災がきっかけとなったという人もいます。見ると普通のかわいい女の子たちですが、自ら捕らえたイノシシやシカの皮をはぎ、飼っている鳥を絞め、解体し、料理して食べ、皮をなめす。体験をもとに狩猟や解体のワークショップを開催する人もいますが、こうしたブームは今後どのような広がりを持っていくのでしょうか。

 全国で獣害が深刻な問題となりつつある今、ジビエ料理で地域活性化しようという試みも各地で見られますが、鳥獣資源の活用には食肉加工や流通の問題など課題も少なくありません。こうした現状に対し、2014年美山では、低コストの獣肉解体施設の設置や移住者支援、インバウンド誘致も視野に入れた着地型旅行業(DMO)などの事業に本格参入すべく、株式会社野生復帰計画が設立されました。

 果たして狩猟を個人の趣味や自給自足レベルから地域の基幹産業へ育てることはできるのか。今回、こうした狩猟の現状と美山での取り組みから、狩猟や鳥獣資源活用による地方創生の可能性と課題を考えます。

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「急増する狩猟女子、国産ジビエの意外な潜在力」の著者

水津 陽子

水津 陽子(すいづ・ようこ)

合同会社フォーティR&C代表

経営コンサルタント。合同会社フォーティR&C代表。地域資源を活かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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