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働き方改革は信頼に根差した「対話力」改革

成否の大きな鍵は「管理職が満たされていること」

2017年2月2日(木)

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 「働き方改革」の議論が盛り上がっている。長時間労働是正に向けての残業時間の規制、同一労働同一賃金のガイドライン策定など制度づくりが焦点になるものの、形だけ整えても、風土や意識が変わらない限り真の改革はおぼつかない。風土づくり、意識改革に必要な視点を、短期集中で考えたい。第1回は「対話力」。働き方改革はコミュニケーション改革でもある。先端企業の事例から、その道筋を探る。
ユニリーバ・ジャパンでブランド戦略を担当する堀田有里さん(左)と、上司の伊瀬裕樹さん

 毎週月曜朝、ユニリーバ・ジャパンでブランド戦略、営業戦略を統括するマネジャー、伊瀬裕樹さん(35)のもとに、部下から次々メールが届く。

「今週やるべき仕事と、その優先順位は――」
「先週の仕事の進捗も、併せて報告します」
「なお今週金曜は在宅ワークの予定です」

 同社は2016年7月、工場やお客様相談室などを除くすべての社員に、働く時間・場所を自由に選ぶことができる新制度「WAA(ワー)」(Work from Anywhere and Anytime)を導入して話題を呼んだ。平日の6時から21時まで、理由を問わず、自宅やカフェ、図書館などで仕事をしてもいい。利用にあたっては事前に上司に申請をする、マネジャーはそれぞれ運用ルールを決めることとした。

 導入して半年、現在は月1、2回利用する人が35%ほど、週1、2回と2週に1、2回が、それぞれ2割弱を占めるなど、次第に社内に浸透してきたという。

 伊瀬さんは、導入にあたり部下を前に宣言した。「積極的に利用しよう。私自身、共働きのため毎週水曜はWAAを利用して17時には退社して子供の夕食をつくる。その後に自宅で残った仕事をする。ただし、仕事の進捗が見えにくくなるかもしれないからコミュニケーションのルールを決めよう」。こうして決めたのが、月曜朝に必ず、1週間の予定と前の週の報告を箇条書きにしてメールで報告することだった。

 部下は現在5人で、ヘアケア商品と男性化粧品のブランドを各自担当している。子育てや介護のため、また持病の治療や趣味のためなど、それぞれの理由でWAAを利用しており、多いときは5人中3人がオフィス外で仕事をする日もあるという。そのうちの一人、主力商品「LUX」のブランド戦略を担う堀田有里さん(31)は、3歳と1歳の二児の子育てのために週1回か2回、WAAを使い在宅勤務をしている。

ユニリーバ・ジャパン 堀田有里さんのある1日

 「月曜朝メール」のルールができたことで、仕事の優先順位がつけやすくなったと堀田さんは言う。上司からのコメントがついて戻されるため、仕事の抜け漏れもなくなった。さらに「今週これを手掛けます」とメールで宣言することにより、「言ったからにはプライドをもってやり遂げよう」とコミットメントする意識が高まった。WAAを始めてから、お互いに簡潔に報告してほしいことが見えてきたという。

 WAAの導入後、会議もより効率的になった。出席者はテーマに関係するキーパーソンに絞られるようになり、議題は事前に送付される。アイデア出しのためだけに時間を費やすこともなくなった。すべての会議は、19時までには終えることとされた。会議の無駄は、そぎ落とされたことになる。

 とはいえ、時にはもどかしさも感じている。担当ブランドで課題が持ち上がり、緊急会議を開こうというときに、たまたま在宅勤務を選んでおり、「ブランドの責任者なのにスカイプで参加して、(上司の)伊瀬さんに代理で進行をお願いしてしまった」こともある。子供が病気のときに自宅で看護をしながらスカイプで会議に参加したところ、子供がぐずって発言しにくかったこともある。「すみません、申し訳ありません」と謝る堀田さんに、伊瀬さんはいつも「謝らなくていいです」と返している。「予定していた時間の中で、成果をあげればいいのだから」という。

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「働き方改革は信頼に根差した「対話力」改革」の著者

野村浩子

野村浩子(のむら・ひろこ)

ジャーナリスト・淑徳大学教授

日経ホーム出版社(現日経BP社)で「日経WOMAN」編集長、女性リーダー向け雑誌「日経EW」編集長などを歴任。日本経済新聞社・編集委員などを経て、2014年4月から、淑徳大学人文学部表現学科長・教授。財政制度等審議会委員など政府審議会委員も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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