• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

ドラマ「逃げ恥」と「働き方改革」の意外な接点

2017年2月9日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 昨年TBS系列で放映されたテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」、略して「逃げ恥」。恋愛下手な男性と、就職できない女性が、なんと「契約結婚」…と突拍子もない設定のコミカルな恋愛ドラマは、番組最後の「恋ダンス」がユーチューブで話題を呼んだこともあり、最終回は視聴率20%を超える大ヒットとなった。実はこのドラマは、いま議論が盛り上がる「働き方改革」を考える上でも、多くのヒントを秘めている。

 「恋ダンス」人気もあり、大ヒットとなったテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」、こと「逃げ恥」。実はこのドラマの内容は、「働き方改革」に通じる。

 こういうと「なんだそりゃ」と思う人も多いだろう。幅広い世代が純粋に楽しんだエンターテインメントを理屈っぽく分析するのも無粋だが、「逃げ恥」からは、いま話題の働き方改革につながる重要な視点が読み取れる。

 これまで日本企業の長時間労働を支えてきたのは、夫婦の性別役割分業でもあった。残業をいとわず働く夫と、家事育児を一手に引き受ける妻――。妻が家事育児を担ってきたからこそ、男性社員は残業をいとわず働くことができた。

 だが、もうこうした働き方では会社も家庭も回らないから見直そう、となったとき、育児や介護も含めて家事を誰がどう担うのか。

 「逃げ恥」から、解決策を考える3つのヒントを挙げてみたい。

<その1>「家事」は立派な労働であり、年収300万円ほどの価値がある。

 「逃げ恥」を初回から楽しんだ方は、「契約結婚」の約束を交わすシーンが記憶にあるだろう。高学歴で恋愛経験ゼロの津崎(35歳)と、大学院を出ても就職できないまま家事代行のアルバイトを始めたみくり(25歳)が、ひょんなことから契約結婚をすることになる。

「家事労働の平均は年間2199時間……」
「年収にすると304.1万円」

 契約結婚の条件を取り決めるにあたり、二人はこんなやりとりをする。家事を年収換算なんてできないだろう、と違和感を覚える人もいるかもしれないが、実はこの数字には、根拠がある。内閣府が5年毎に行う「家事活動等の評価について」という調査によるもので、家事や育児・介護といった「無償労働」を金額に換算したデータである。

 2013年に発表された直近の調査では、専業主婦(無業有配偶)の無償労働は、年2199時間で304.1万円。一方共働きの女性(有業有配偶)の場合は年1540時間で223.4万円とされた。ちなみに、働いている既婚男性の無償労働は、年250時間で51.7万円に相当するという。つまり、ドラマの中では専業主婦の無償労働の推計値が引用されたことになる。

 給料をもらう、あるいは稼ぎを生み出す有償労働に比べると、無償労働は見えにくいし、評価もされない。そこで「シャドウ・ワーク」と呼ばれることもある。その価値を、金額として「見える化」したのが、内閣府の調査である。

 理論派の津崎は、1日7時間労働として月給19万円を払い、そこから同居する部屋の家賃や光熱費を折半するとして手取り額を試算した結果、「主婦として雇用することは、僕にとっても有意義であるという結論に達した」と提案する。失業中のみくりもまた、ひとつの就職先として「主婦として雇用される」ことに合意する。

 「逃げ恥」は、家事は対価を得るのにふさわしい立派な労働であることを示したともいえる。ドラマの人気で、家事代行という仕事がにわかに人気を集めているとも聞く。

コメント23件コメント/レビュー

「結婚すれば自分で稼いだ金は家計という名で妻に召し上げられ、妻から数万円のお小遣いを頂けと?」
「それは好きの搾取です」
「愛情の搾取に断固として反対します」(2017/04/18 12:39)

「ここが間違い、女性の攻め方」のバックナンバー

一覧

「ドラマ「逃げ恥」と「働き方改革」の意外な接点」の著者

野村浩子

野村浩子(のむら・ひろこ)

ジャーナリスト・淑徳大学教授

日経ホーム出版社(現日経BP社)で「日経WOMAN」編集長、女性リーダー向け雑誌「日経EW」編集長などを歴任。日本経済新聞社・編集委員などを経て、2014年4月から、淑徳大学人文学部表現学科長・教授。財政制度等審議会委員など政府審議会委員も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「結婚すれば自分で稼いだ金は家計という名で妻に召し上げられ、妻から数万円のお小遣いを頂けと?」
「それは好きの搾取です」
「愛情の搾取に断固として反対します」(2017/04/18 12:39)

育児介護休業法なんて法律があることを知りませんでした。労働基準法もそうですが、かなり昔からあったのに過労死で何人かの犠牲が出るまで、労働基準監督署も長年適用を怠っていました。
いくら法律を作っても適用しない限り仏作って魂入れずです。役人の逃げ苦情として必ず「人手が足りなくてそこまで手が回りません」。今ある法律を厳しく適用することで過労死も育児も介護もかなり解決すると思いますが。首相も沖縄の基地建設には「法治国家であるから法に基づいて」と大きな声で言いますが、こと労働関係の法律に対しては経団連の意向を汲んでアリバイ作り程度でお茶を濁しているのでは?「法治国家であるから育児も、介護も、法に基づいて」粛々と正しく適用し、死人が出ないようにしてもらいたい。ヨーロッパ諸国は労働法は労働者に対して厳格に適用されています。ヨーロッパのように会社より、国家より、政治家より、役人より、人間を大切にする国を目指したいものです。(2017/02/20 14:55)

憲法27条は専業主婦を認めないとおっしゃっている方がいらっしゃいますが、勤労は金銭的な収支とは相関のない概念だと思います。
確かに憲法27条は勤労の権利と義務を謳っていますが、家事育児のように金銭による報酬が得られず、外貨を稼がない労働であっても勤労は勤労でしょう。おそらく法的には勤労が勤労であるかどうかは当人の判断に帰属するのではないでしょうか?無報酬や赤字ならば勤労でないという定義にしてしまうと、例えば東芝の方々は勤労していないことになってしまって気の毒です。

また、実際には家事育児を各家庭で担うことは家計を黒字にする方向に機能しています。わたしも仕事が忙しくて家事代行を頼んだ時期がありますが、外注すると家計は赤字化します。家事代行業も派遣する側の人件費や経費がかかるので、パートタイム勤務の時給の倍額になってしまうからです。これを解消するために諸外国では為替相場を利用して外国人による家事代行を取り入れている国もあるようですが、日本では外国籍の家事代行員にも日本人と同じ時給を支払うよう定められているはずです。

「逃げ恥」は視聴していませんが、この記事を読んで観てみたくなりました。
わが家では家事育児の可視化はしておらず共同経営的に行っていますが、PTA等の母親のみに強要される地域奉仕活動があり、実際にはやはり労働負担は不均衡にならざるを得ない面があります。「母の愛」の深さが常に外部評価に曝される現状が、こういうことをきっかけに変わってくれたらな、と感じました。(2017/02/20 12:50)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

面白い取り組みをしている会社と評判になれば、入社希望者が増える。その結果、技能伝承もできるはずだ。

山崎 悦次 山崎金属工業社長