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残業削減の特効薬ではない「インターバル規制」

2017年2月17日(金)

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 2月に入り「働き方改革実現会議」で、「長時間労働是正」に向けての議論が始まった。争点は、「残業時間の上限規制」と「勤務間インターバル規制」の導入。先んじて制度を導入している先端企業の事例から、その効果と課題を探りたい。まずは、「勤務間インターバル規制」を既に全社員に導入しているKDDIを訪ねてみた。

 夜11時――。残業を終えてようやく帰宅の途へ。

「家に着くのは12時。ビールを一杯飲んで、風呂に入って寝るのは2時。明日は朝9時から会議だから、睡眠時間はせいぜい4、5時間かなあ」

 翌日の出社時間から逆算して、何時間眠ることができるか。忙しい会社員なら、こんな計算をしたことがあるだろう。ところが、これからは悩むことなく少なくとも6時間は睡眠が確保できるようになるかもしれない。いま「働き方改革実現会議」で議論されている「勤務間インターバル規制」が実現し、仕事が終わったあとに11時間の休息時間を取らなければならないとされたら、夜11時まで残業した場合、翌日10時までは出勤しなくてよいことになる。

 「勤務間インターバル規制」は、長時間労働是正のひとつの策として現在導入が検討されているもの。お手本はEUで、すでに1993年からインターバル規制が導入されており、「1日の仕事の終了後に11時間の休息を確保しなければならない」とされている。

 現在日本で、勤務間インターバル規制を導入する企業は2%ほどとされる。そのひとつとして知られるKDDIを訪ねてみた。

月100人は"違反者"が出るが、健康管理の意識高まる

 KDDIでは2000年に、設備の保守運用を手掛ける社員に限ってインターバル規制を導入した。24時間体制で保守を行うなか、連続シフトはNG、最低でも次の勤務までに7時間は空けることとした。

 2012年には裁量労働制の導入に伴い、企画型の仕事をする裁量労働の勤務者に限定し、働き過ぎを防ぐために、8時間のインターバルを置くとした。

 さらに2015年、組合の要求を受け入れる形で、インターバル規制を全社員約1万4000人に広げた。その方法は以下の2つである。

(1)非管理職は「8時間のインターバルを設けること」とする就業規則を導入
(2)管理職を含め全社員を対象に、「インターバルが11時間を切る日が1カ月の半分を超えたら健康チェック」を義務化

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「残業削減の特効薬ではない「インターバル規制」」の著者

野村浩子

野村浩子(のむら・ひろこ)

ジャーナリスト・淑徳大学教授

日経ホーム出版社(現日経BP社)で「日経WOMAN」編集長、女性リーダー向け雑誌「日経EW」編集長などを歴任。日本経済新聞社・編集委員などを経て、2014年4月から、淑徳大学人文学部表現学科長・教授。財政制度等審議会委員など政府審議会委員も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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