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女性登用をチェックする株主目線とは?

株主総会に見る経営トップの温度差

2015年7月17日(金)

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女性登用のために、どんな取り組みをしているのか――。企業におけるダイバーシティ推進(多様な人材活用)に注目が集まるなか、株主からのチェックの目も厳しさを増している。6月末にピークを迎えた株主総会では、株主からどんな質問が出され、企業はどう答えたのか。株主総会での質疑応答から、ダイバーシティ推進の機運の高まりと株主目線の変化を検証する。

 「おじいさん役員ばかり。だから古臭いデザインになるんじゃないの」

 女性投資家のようこさん(仮名、ハンドルネーム;ようこりん)は、赤字続きのアパレル会社の株主総会に出席し、ため息をついた。女性をメーンターゲットとするアパレル会社ながら、壇上に並ぶ役員陣はシニア男性ばかり。時代遅れのデザインを刷新しない限り、赤字から抜け出せないのは明らかだ。そのためにも、女性社員の感性を生かそうという考えはないのか。同じ疑問を持つ投資家から、ついに質問が出た。

 「女性役員を登用するお考えはないのでしょうか?」

 それに対する企業からの答えは

 「社員には女性はたくさんおります」

 「なんと的はずれな」と、ようこさんは再びため息。「もしも株主総会で、壇上にピリッとした女性役員の姿が加わったら、オッ変わったなと期待が持てるのに」と呟く。いま女性活用の掛け声があちこちで聞かれるなか、「そうした動きに敏感に反応しないこと自体、問題だ」とする。

「本人たちが嫌がってますから」

 同じく女性投資家のrikaさん(ハンドルネーム)も、化粧品など「主に女性を顧客とする業界では、女性役員の登用はもはや当たり前」と指摘。そこで後れを取る企業は、個人投資家のブログでも話題になってしまうという。そのうちの1社が、マルハニチロだ。

 男性株主が、こう質問。

 「食品を扱う会社として、女性の視点が重要と考える。社外役員として迎え入れるのが現実的と思うが、将来、女性登用の展望はいかがか」

 これに対して、伊藤滋社長はこう答えた。

 「役員登用に当たり男女の区別はしていないが、近い将来、5年、10年というスパンで前向きに検討したいと思っている」

 10年ほど前に株主総会デビュー、今では年に50社ほどの株主総会に出席するrikaさんによると、女性活躍推進に関する質問も少しずつ増えてきたという。それでも女性消費者に縁のない業界、とくにB to Bの企業では、ダイバーシティ推進に関する質問は滅多に聞かれない。

 ある通信部品メーカーの株主総会後に開かれた役員との懇親会で、rikaさんはたまらず、社長に突撃インタビューをした。役員は社外も含めて全員男性で、総会の壇上は、黒一色のスーツ姿で埋まっていたからだ。

 「女性の管理職はいますか?」

 「はい、2人います」

 畳みかけるようにこう尋ねた。

 「女性の役員登用もお考えですか」

 「いやあ、それはまだ難しいですね。本人たちが嫌がっていますから。でも、いずれは(女性役員も)出てくるでしょう」

 ダイバーシティ推進に関心のない企業トップの意識を表す、代表的な声といえる。

コメント1件コメント/レビュー

あえて手厳しい指摘をしますが、デンソーは産業医出身、リコーリースは弁護士出身。言い換えれば、起用しやすい部署のそれも専門職から女性役員を誕生させています。これ、自力で育てたと言えるのでしょうか? このあたりが今の日本企業の限界なんですよね。
表現は不適切かもしれませんが、総務部の男性社員に短期間の育児休業を取得させくるみんマークを取得している企業と同じ匂いを感じますし、本業の部署を複数渡り歩いた総合職の方の中からどれだけ女性役員が出てくるかが問われていると思います。そのステージに達するには、まだ世代が何世代か入れ替わるまでの時間がかかるでしょうか…。(2015/07/17 17:44)

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「女性登用をチェックする株主目線とは?」の著者

野村浩子

野村浩子(のむら・ひろこ)

ジャーナリスト・淑徳大学教授

日経ホーム出版社(現日経BP社)で「日経WOMAN」編集長、女性リーダー向け雑誌「日経EW」編集長などを歴任。日本経済新聞社・編集委員などを経て、2014年4月から、淑徳大学人文学部表現学科長・教授。財政制度等審議会委員など政府審議会委員も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

あえて手厳しい指摘をしますが、デンソーは産業医出身、リコーリースは弁護士出身。言い換えれば、起用しやすい部署のそれも専門職から女性役員を誕生させています。これ、自力で育てたと言えるのでしょうか? このあたりが今の日本企業の限界なんですよね。
表現は不適切かもしれませんが、総務部の男性社員に短期間の育児休業を取得させくるみんマークを取得している企業と同じ匂いを感じますし、本業の部署を複数渡り歩いた総合職の方の中からどれだけ女性役員が出てくるかが問われていると思います。そのステージに達するには、まだ世代が何世代か入れ替わるまでの時間がかかるでしょうか…。(2015/07/17 17:44)

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