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トヨタがいよいよ「モビリティサービス」に本気

アマゾン、ウーバー、滴滴とも提携

2018年1月16日(火)

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トヨタ自動車がCES 2018に出展したモビリティサービス専用EV(電気自動車)のコンセプト車「e-Palette Concept」

 あけましておめでとうございます。ことしも仕事初めは米国・ラスベガスで1月9日から12日まで開催されていた世界最大級の家電見本市「CES2018」の取材だった。CESはもともとConsumer Electronics Showの略で、その後CESが正式名称となった。その背景には、家電だけでなく最新のハイテク機器の展示が増え、特にここ数年は知能化・電動化が進む自動車関連の出展が急激に増加していることがある。先ほど「家電見本市」と紹介しておいて何なのだが、もはや家電見本市という枠では捉えきれなくなった。

トヨタがサービス専用EVのコンセプト車を発表

 今回のCESで、筆者が自動車分野で最も注目したのが、トヨタ自動車が発表したモビリティサービス専用EV(電気自動車)のコンセプト車「e-Palette Concept」である。このコンセプト車にはいくつもの画期的な点があるのだが、まず挙げられる点が「トヨタが遂にモビリティサービスに本気になった」ということだろう。

 これまでトヨタの豊田章男社長は「愛を付けて呼ばれる工業製品はクルマだけ」だとして、「愛車」という呼び方に代表されるような「所有することに喜びを感じられるクルマ」にこだわってきた。実際、トヨタが昨年のCES2017に出展したコンセプト車「Concept-愛i」(このコラムの第74回で紹介)にもそうした思いが強く投影されていた。ところが今回のCESにおける豊田社長のスピーチではその姿勢が一変し、トヨタの目指す方向が「モビリティ・サービス・カンパニー」であることを繰り返し強調したのに筆者は驚いた。

 筆者はこのコラムの第11回第35回第66回などで、自動運転技術によってクルマの「サービス化」が加速し、自動車産業のビジネスモデルは根底から変化を迫られていることを指摘してきた。

 実際、独ダイムラーがカーシェアリング事業「Car2Go」を自ら手がけたり、あるいは独フォルクスワーゲンが無人タクシー向けEVのコンセプトカー「SEDRIC」を発表したりするなど、クルマの「サービス化」に対して手を打ち始めている。これに対してトヨタも、ライドシェアリング大手の米ウーバー・テクノロジーズに出資するなど、決して手をこまぬいていたわけではないのだが、自らが「モビリティサービス」に参入する動きは見えなかった。それは「所有することに喜びを感じられるクルマ」にこだわる企業姿勢からすれば、ある意味当然だと思っていた。だから、今回のトヨタの豹変ぶりには驚いたのだ。

コメント2件コメント/レビュー

特に驚きはしないが、大枚をはたいたTRIの創設辺りからトヨタの焦りを感じる。おそらく何か動かなければ、このままでは「死」があるのみと分っているための決定だろう。資金が豊富なうちに自社でできない分野は積極的にアライアンスを強化し、オープン開発で進めるのは当然と言えば当然の判断だろう。
「愛を付けて呼ばれる工業製品はクルマだけ」と言うが、カメラやオーディオ等の工業製品は半世紀以上「愛機」という言葉を使っていた。
「慎重だった姿勢を一変」も今までは自社で全て開発できる製品やサービスしか扱っておらず、「トヨタ銀行」と言われるくらい資金も潤沢にあったので、あえてIPRを晒してまで共同開発するものはそれほど無かっただけだろう。
「オープン・イノベーションの手法」については、認識が異なる。ソフトウエア開発における手法で、ベータ版を公開することはオープンイノベーションとは言わない。ソフトリリースの手順でしかなく、バグ取りが目的であり、開発そのものをオープンにしているわけではない。APIの公開もオープン開発なら当たり前のやり方なので、特段驚くことではない。問題はどの部分のAPIを公開するかだ。
マツダとの提携は単にロータリーが欲しいと言うことではなく、今後の現地での少量多品種生産時代にどのように生産効率を上げるかのノウハウをマツダから学ぶことが第一だろう。そのための唯一で初めての株の持ち合いを選んだのだから。ロータリーが欲しいだけなら、技術供与だけで済む。
最後に、ホンダは昔からモビリティーサービスの会社だと言っていたので、理念自体はホンダが先取りしていたように思う。(2018/01/24 09:40)

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「トヨタがいよいよ「モビリティサービス」に本気」の著者

鶴原 吉郎

鶴原 吉郎(つるはら・よしろう)

オートインサイト代表

1985年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、2004年に自動車技術の専門情報誌の創刊を担当。編集長として約10年にわたって、同誌の編集に従事。2014年4月に独立、オートインサイトを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

特に驚きはしないが、大枚をはたいたTRIの創設辺りからトヨタの焦りを感じる。おそらく何か動かなければ、このままでは「死」があるのみと分っているための決定だろう。資金が豊富なうちに自社でできない分野は積極的にアライアンスを強化し、オープン開発で進めるのは当然と言えば当然の判断だろう。
「愛を付けて呼ばれる工業製品はクルマだけ」と言うが、カメラやオーディオ等の工業製品は半世紀以上「愛機」という言葉を使っていた。
「慎重だった姿勢を一変」も今までは自社で全て開発できる製品やサービスしか扱っておらず、「トヨタ銀行」と言われるくらい資金も潤沢にあったので、あえてIPRを晒してまで共同開発するものはそれほど無かっただけだろう。
「オープン・イノベーションの手法」については、認識が異なる。ソフトウエア開発における手法で、ベータ版を公開することはオープンイノベーションとは言わない。ソフトリリースの手順でしかなく、バグ取りが目的であり、開発そのものをオープンにしているわけではない。APIの公開もオープン開発なら当たり前のやり方なので、特段驚くことではない。問題はどの部分のAPIを公開するかだ。
マツダとの提携は単にロータリーが欲しいと言うことではなく、今後の現地での少量多品種生産時代にどのように生産効率を上げるかのノウハウをマツダから学ぶことが第一だろう。そのための唯一で初めての株の持ち合いを選んだのだから。ロータリーが欲しいだけなら、技術供与だけで済む。
最後に、ホンダは昔からモビリティーサービスの会社だと言っていたので、理念自体はホンダが先取りしていたように思う。(2018/01/24 09:40)

元気のある日本のメーカーにこういった姿勢を打ち出して欲しいと願っていましたが、その予想を遥かに上回る前のめりなものがトヨタから出てきたのでとてもビックリしました。

パナソニックもEVプラットフォームの発表をして自動車産業への前のめりな姿勢を明確に打ち出しました。

この2つの発表は、日本を代表する企業たちの「家電や半導体の凋落の二の舞いは避ける!」という決意の現れに思え、とても頼もしく感じています。(2018/01/16 01:15)

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