• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

やり切れない三菱自動車の燃費偽装

事業構造の抜本的な再構築が不可避

2016年4月22日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

会見で説明する中尾龍吾副社長(左)、相川哲郎社長(中央)、横幕康次執行役員開発本部長(右)

 やはり、書かなければならないだろう。4月20日に発表された、三菱自動車の燃費偽装事件のことだ。記者発表が行われた当日の夜、筆者は別の打ち合わせがあって現場に行けなかったのだが、インターネットの実況中継を見ていた。そして見れば見るほどやりきれない気持ちになった。規模の小さい完成車メーカーが今の競争環境の中で生き残っていくことが、いかに厳しいかをひしひしと感じたからだ。

 まずは何が起こったのかをおさらいしておこう。不正の対象となったのは、2013年6月から三菱自動車で生産している「eKワゴン」「eKスペース」と、同じ車種を日産自動車向けにOEM供給している「デイズ」「デイズルークス」の4車種。三菱自動車向けの15万7000台と、日産自動車向けの46万8000台の、合計62万5000台である(2016年3月末現在)。

 事件の内容は、三菱自動車が国土交通省に提出した燃費試験データについて、燃費を実際よりも良く見せるため、不正な操作を行っていたというもの。具体的には、燃費を測定するときに使用する「走行抵抗」の値を実際よりも小さくすることで、燃費の測定値が実際よりも良くなるようにしていた。実際の燃費との乖離がどの程度なのかは現在社内で調査中ということだが、これまでに得られたデータでは5~10%かさ上げされていたという。

 また、非常にややこしいことに、「走行抵抗」の測定方法自体も、「高速惰行法」という米国向けの手法が採られていたことが今回明らかになった。国内向けでは「惰行法」という別の方法で走行抵抗を測定することになっているので、この行為自体が法令違反となる。この走行抵抗の測定方法の違反は、今回問題になった軽自動車以外でも判明しており、2002年以降に発売された車種では「ミラージュ」「デリカD:5」、「アウトランダーPHEV」以外の車種はすべて国内法規とは異なる方法で測定した走行抵抗が燃費の算出に使われていたという。

日産の調査で発覚

 今回の事件はなぜ発覚したのか。きっかけは日産による燃費性能の調査だった。現行の三菱のeKシリーズと、日産のデイズシリーズは、三菱自動車が開発を担当していたが、次期モデルについては日産が担当することになった。参考のため日産が現行車種の燃費を測定したところ、カタログ値との乖離が大きいため、三菱は試験で設定した走行抵抗値について確認を求められたという。これを受け、三菱が社内調査をしたところ、実際よりも燃費に有利な走行抵抗値を使用していた不正が発覚した。

コメント26

「クルマのうんテク」のバックナンバー

一覧

「やり切れない三菱自動車の燃費偽装」の著者

鶴原 吉郎

鶴原 吉郎(つるはら・よしろう)

オートインサイト代表

1985年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、2004年に自動車技術の専門情報誌の創刊を担当。編集長として約10年にわたって、同誌の編集に従事。2014年4月に独立、オートインサイトを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「絶対これしかありません」というプランが出てきたら、通しません。

鈴木 純 帝人社長