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またもやトヨタと正反対、ホンダのFCV

2016年4月26日(火)

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ホンダが企業・団体を対象にリース販売を始めた「クラリティ フューエルセル」。2017年秋ごろに、個人への販売を開始することを目指している

 またもやトヨタとホンダの選択が正反対になった――。度重なってこういうことが起こると、3度目も期待したくなる。ホンダの新型燃料電池車(FCV)「クラリティ フューエルセル(FC)」の話である。筆者は、この連載の第5回第15回で触れたように、FCVの早期の普及には懐疑的だ。しかしその理由についてはもう既に十分過去2回のコラムで書いたので、今回は純粋に技術的な興味からホンダの新型FCVを取り上げてみたい。

 冒頭で「度重なって」と書いたのはこの連載の第26回で取り上げたホンダとトヨタのダウンサイジングエンジンで、両社が正反対の判断をしたからだ。非常にマニアックな話ではあるのだが、ホンダはダウンサイジングエンジンの開発において、ベースエンジンが前方から吸気し、後方から排気するタイプだったのを、後方から吸気し、前方から排気するように吸排気の方向を逆にした。これに対してトヨタは、後方から吸気し、前方から排気するベースエンジンだったのを、前方から吸気し、後方から排気するエンジンに作り変えたのだ。

 燃費を向上させるため、エンジンのダウンサイズをするという目的は同じなのだが、その方法論が正反対だったわけだ。同様のことが、今度は燃料電池車(FCV)で起こった。

エンジンルームに燃料電池を納める

 ホンダが2008年に国内でのリース販売を開始した先代のFCV「FCXクラリティ」は、センタートンネル内に燃料電池を納め、また車両の重心近くに重い部品を集めることで、全高の比較的低い、スタイリッシュな外観とスポーティーな走りを実現したのが大きな特徴だった。

先代の「FCXクラリティ」のレイアウト。車体中央のセンタートンネル内に燃料電池を搭載していた

 それまでのFCVは、床下に燃料電池やバッテリー、水素タンクを納めるために、全高の高いSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)やミニバンタイプの車両をベースとして開発されたものが多かった。

 例えば、FCXクラリティと同じころにトヨタ自動車と日産自動車がリース販売していたFCVは、トヨタが当時の「クルーガーV」、日産が当時の「エクストレイル」をベースとしたもので、どちらもSUVベースのFCVである。だから、全高が低くスポ―ティさを特徴とするFCXクラリティは当時、FCVのイメージを覆す画期的なクルマと言えた。

コメント2件コメント/レビュー

筆者の立場から、FCVに対する技術的評価を書かなければならない事情は理解いたしますが、前2回に触れているような「FCVには懐疑的」という立場を貫いて頂きたく思います。即ち、トヨタなりホンダがFCVに執着するのは、EVでは「既存カーメーカーとして存立出来ない」ということを分かっているからだということを主張すべきと思われます。そして、FCVの最大の欠点である「水素燃料の補給インフラの整備」に対して、トヨタや岩谷が政治力を使って「水素ステイション網の構築」に多大な税金を使わせようとしていることに対して、警鐘を鳴らすべきです。
もう一つ、EVの欠点と言われる「航続距離」については、多くの想定EVユーザーは、それほど大きな航続距離は期待していないと思われ、大きな航続距離を望むEVユーザーに対しては、「電池技術の改良」なり、「電池の即時交換システム網の構築」などで対応すれば良いと思われます。
多くのユーザーは、航続距離は短くても安価なEVを望んでいるものと思われます。(2016/04/26 19:14)

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「またもやトヨタと正反対、ホンダのFCV」の著者

鶴原 吉郎

鶴原 吉郎(つるはら・よしろう)

オートインサイト代表

1985年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、2004年に自動車技術の専門情報誌の創刊を担当。編集長として約10年にわたって、同誌の編集に従事。2014年4月に独立、オートインサイトを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

筆者の立場から、FCVに対する技術的評価を書かなければならない事情は理解いたしますが、前2回に触れているような「FCVには懐疑的」という立場を貫いて頂きたく思います。即ち、トヨタなりホンダがFCVに執着するのは、EVでは「既存カーメーカーとして存立出来ない」ということを分かっているからだということを主張すべきと思われます。そして、FCVの最大の欠点である「水素燃料の補給インフラの整備」に対して、トヨタや岩谷が政治力を使って「水素ステイション網の構築」に多大な税金を使わせようとしていることに対して、警鐘を鳴らすべきです。
もう一つ、EVの欠点と言われる「航続距離」については、多くの想定EVユーザーは、それほど大きな航続距離は期待していないと思われ、大きな航続距離を望むEVユーザーに対しては、「電池技術の改良」なり、「電池の即時交換システム網の構築」などで対応すれば良いと思われます。
多くのユーザーは、航続距離は短くても安価なEVを望んでいるものと思われます。(2016/04/26 19:14)

別なデバイスの開発担当者と話しをしたことがありますが、2~3ヶ月すると全然性能の異なるデバイスが出てくる。それによって出来上がってくるモノは全く異なる。と至極当然な話を聞きました。車は非常に開発に時間の掛かるモノです。特にこのような先端と言われるデバイス使えば、開発の取り掛かりがちょっと違えば、出来上がってくるモノは大きく変わる(正反対どころか一回転位しかねない)と思います。比較については、その至極当然の話しを汲み取った上で記事にして頂かないと記事にならないかと思います。(2016/04/26 12:12)

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