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和製テスラを目指さない京都発EVベンチャー

「開発プラットフォームの提供」に活路

2017年5月9日(火)

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GLMが2016年9月にパリモーターショーで公開した4人乗りスポーツカー「GLM G4」。4人乗りのレイアウトが特徴

 GLMという会社の名前を知ったのは、2016年中頃のことだった。ある人から「GLMという会社を知っているか」と尋ねられたのだが、答えられなかったのだ。それからこの会社のことを調べ始め、同社が京都発の電気自動車(EV)ベンチャーであることを知った。このコラムでは紹介しなかったのだが、実は同社は2016年9月に開幕したパリモーターショーにも出展しており、そこで4ドア・4人乗りスポーツカー「GLM G4」を初めて公開した。それを見るのも、筆者にとってパリモーターショーを訪れた目的の一つだった。

ようやく日本でも公開

 その後、2016年11月には香港のプロモーションイベントでG4を公開したにもかかわらず、本国の日本での公開はおあずけのままだった。それがようやく、2017年4月に国内でも報道発表が実施された。

 日本での報道発表会では、これまで明かされてこなかった4000万円という予定価格と、1000台という目標販売台数、そして2019年という量産開始時期が公開された。京都の研究開発拠点で重要部品の搭載検討を始め、年内には試作車での走行テストを行う予定だ。

 G4の性能は、まさにEVのスーパースポーツカーである。車両の前後にモーターを2機搭載した4輪駆動で、二つのモーターを合わせた最高出力は400kW、最大トルクは1000Nmを発揮する。この性能は、現在フェラーリの最も高性能な車種「812 Superfast」に搭載されている排気量6.5LのV型12気筒エンジンの最高出力588kW、718Nmという数字と比べると、最高出力では下回るものの、最大トルクでは大きく上回る。

 加えて、G4は道路の表面状態に応じて、前後のモーターがそれぞれタイヤに伝える駆動力を制御する技術を搭載し、発進から時速100kmまでの加速時間(0-100km/h加速)は3.7秒、最高速度は250km/h、航続距離は欧州の標準試験モードであるNEDCで400kmという性能を発揮する。残念ながらフェラーリ812 Superfastの0-100km/h加速の2.9秒、最高時速340kmには見劣りするが、それはある意味仕方ない。

 というのもG4はスーパースポーツカーでありながら大人4人がしっかり座れる室内スペースを実現しているからだ。G4の車体寸法など詳細な諸元はまだ公開されていないのだが、エンジンのないEVだからこそ、この車体寸法の中に、流麗なクーペスタイルと、4人が乗れるスペース確保の両立が可能になったという。もしエンジン車でこれだけの室内スペースを確保しようとしたら、恐らく車両の全長はずっと長くなり、運動性能が損なわれてしまっていただろう。それに動力性能の面でモーターの特徴は、回転数ゼロから最大トルクを発揮することだ。加速の伸びでは負けるが、発進直後の加速感は、エンジンでは味わえないものだろうと想像できる。

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「和製テスラを目指さない京都発EVベンチャー」の著者

鶴原 吉郎

鶴原 吉郎(つるはら・よしろう)

オートインサイト代表

1985年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、2004年に自動車技術の専門情報誌の創刊を担当。編集長として約10年にわたって、同誌の編集に従事。2014年4月に独立、オートインサイトを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授