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自動運転の先を見据えたトヨタとウーバーの提携

クルマを買うことは「消費」から「投資」へ?

2016年6月7日(火)

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 この連載の第55回で、日産自動車と三菱自動車の電撃的な提携の発表に背筋が寒くなるような思いをしたと書いた。その後、旧知の日産社員と話す機会があったが、同社社員たちにとってもあの発表は寝耳に水だったらしい。「日本人では絶対できない発想ですよね」とその社員は語っていた。日産の社長にカルロス・ゴーン氏が就任してから15年余り。とっくに「ゴーン流」に慣れているはずの日産社員たちから見ても、今回の決断には度肝を抜かれたようだ。

ウーバーが提供する配車アプリの車両呼び出し画面(写真提供:ウーバーテクノロジーズ)

 しかし、ゴーン社長の経営判断と同じくらい筆者が興味深いと思ったのが、5月24日に発表されたトヨタ自動車と、米ウーバーテクノロジーズの提携発表である。正確には、「ライドシェア領域における協業を検討する旨の覚書を締結した」ということであり、具体的な協業の内容はこれから詰めていくということなのだが、今回の合意を通じ、トヨタファイナンシャルサービス(TFS)および、トヨタや三井住友銀行が出資する未来創生ファンドから、ウーバーに戦略的出資をすることは決まっているようだ。

 筆者が注目したのは、その具体的な取り組みの1つとして、「TFSがユーザーに車両をリースし、ユーザーがウーバーのドライバーとして得た収入からリース料を支払うサービスを構築する」としていることだ。このサービスは、ウーバーが既に現在ドライバー向けに提供している、車両導入を支援する「Vehicle Solutions」プログラムに基づくもので、リース期間は、ユーザーのニーズに応じて柔軟に設定可能とする予定だ。

ライドシェアを味方にする逆転の発想

 この連載の第55回で、優れた戦略の1つの条件として「一見不合理に見える戦略を組み込んでいること」という一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の楠木建氏の言葉を紹介した。筆者が感心したのは、今回の提携発表が「一見して不合理に見える戦略」そのものだったことである。

 従来、ライドシェア業者と完成車メーカーの利害は相反すると考えられてきた。ライドシェアサービスが普及すれば、クルマは買うものではなく、呼んで利用するものに変わってしまい、クルマを購入する消費者は減ると考えられてきたからだ。クルマ需要の減少を招く“敵”と手を組むという戦略そのものが不合理に見えたのである。

 筆者は、この連載の第11回で触れたように、今後自動運転の技術が進化し、人間のドライバーを必要としない完全自動運転が実現した場合、少なくとも都市部では、クルマのかなりの部分が「無人タクシー」になると考えている。その理由は、そのほうが便利で、しかも安いからだ。

 無人タクシーは、スマートフォンなどで呼び出せば自宅まで来てくれるので、自家用車と同様にドア・ツー・ドアの移動が可能だ。目的地に着いたら、そこで乗り捨ててしまえばいいから、出先で駐車場を探す手間がない。出先でアルコールを嗜むのも自由だ。ドライバーが自分で運転したいときは、そういうタイプのクルマを呼び出せばよい。その場合でも、渋滞でいらいらしたり、眠くなったりしたときは自動運転に切り替えることができる。要するに、気が向けば運転したい区間のみ運転すればよいのである。

コメント4件コメント/レビュー

ところで消費って何?

家族で行楽に行って幸せを感じるための車の購入と言うのは、立派に投資じゃないのかな。
彼女とドライブに行くために車を購入すると言うのは立派に投資だったんじゃないかな。(なぜか過去形)

消費と言うのは無駄使いじゃなくて、金銭に換算できないなにものかへの投資じゃないかな。
じゃなきゃ自己啓発とか学歴ってのは自己投資ではなく無駄使いな消費だよね。

リターンを考えた消費は投資と言って良いのではないだろうか。
飯代とかの固定費的な部分は単純消費かも知れないけどね。

でも飯代でもパワーランチの参加権とかは投資かな。(2016/06/08 14:57)

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「自動運転の先を見据えたトヨタとウーバーの提携」の著者

鶴原 吉郎

鶴原 吉郎(つるはら・よしろう)

オートインサイト代表

1985年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、2004年に自動車技術の専門情報誌の創刊を担当。編集長として約10年にわたって、同誌の編集に従事。2014年4月に独立、オートインサイトを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ところで消費って何?

家族で行楽に行って幸せを感じるための車の購入と言うのは、立派に投資じゃないのかな。
彼女とドライブに行くために車を購入すると言うのは立派に投資だったんじゃないかな。(なぜか過去形)

消費と言うのは無駄使いじゃなくて、金銭に換算できないなにものかへの投資じゃないかな。
じゃなきゃ自己啓発とか学歴ってのは自己投資ではなく無駄使いな消費だよね。

リターンを考えた消費は投資と言って良いのではないだろうか。
飯代とかの固定費的な部分は単純消費かも知れないけどね。

でも飯代でもパワーランチの参加権とかは投資かな。(2016/06/08 14:57)

くだらない。
タクシーの自動運転車なんて,100 年経っても実現するはずが無い という記事がある。
現実に Tesla は 危険な (対向車線に飛び出るという)事故を起こした。
それでも 運転者の責任だということになっている。
こういうのを YouTube で見れば,誰が何と言おうと 自動運転なんて乗りたくない。

アメリカの世論調査でも,完全自動運転を望む人は少ない。(2016/06/07 09:20)

【完全自動運転が実現した場合、都市部ではクルマのかなりの部分が「無人タクシー」になる】のはある程度当たっているだろう。但し、ここで考慮されていないのが「所有する喜び」の部分だ。家と同じく、車も自分の好みに合ったものを多少無理しても買いたいと思う人は多い。そういった人も取り込む為には無人タクシーも車種が限定できる追加オプションを用意することである程度対応可能。「無人タクシー」なら人件費が掛からない分料金は安くなるだろうから、今よりもタクシー利用は気安く出来る様になる事は間違いない。個人所有が減ることで、車の総台数が減少し駐車場や道路面積も減らせるかもしれない。その事は人口減少する日本に於いては非常に重要で、日本は将来に向かって社会インフラのコンパクト化を推し進めないと、保守費用などが負担出来なくなってしまう。その意味で、トヨタの取り組みは未来を見据えた取り組みとして間違ってはいないと思う。(2016/06/07 09:19)

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