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フィット対スイフト、最新ハイブリッド対決

ユーザーの選択肢を大きく広げる2台

2017年8月1日(火)

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フィットハイブリッドのハイブリッドシステム「i-DCD」。7速DCTとモーターを組み合わせているのが特徴だ(資料:ホンダ)

 これに対してDCTでは、例えば1速から2速に変速するとき、2速の歯車はあらかじめ噛み合わせておく(厳密にいうと違うのだが、ここでは原理の説明なのでご容赦いただきたい)。そして一つ目のクラッチを切ると同時に二つ目のクラッチをつなぐ。こうすることで、変速にかかる時間を非常に短くすることができるのが特徴だ。欧州では、小型車の自動変速機の機構として広く使われている。

 フィットハイブリッドでは、奇数段の歯車が搭載されている軸にモーターが直結しており、モーターの駆動力で発進できるようにしている。この構成だと、奇数段の歯車が駆動力を伝達しているときしかモーターで駆動力をアシストできないように見えるが、実際には、偶数段の歯車が動力を伝達しているときにも、偶数段の歯車と噛み合っている奇数段の歯車を介して駆動力を伝えるので、どの変速段のときも、モーターで駆動力をアシストすることができる。また、クラッチを二つとも切ってしまえば、エンジンと変速機の間で駆動力は遮断されるので、モーターのみで駆動する「EVモード」が実現できる。

AMTと組み合わせるスイフト

 一方のスイフトのハイブリッドシステムの最大の特徴は、AGS(オートギアシフト)と組み合わせたことである。AGSは手動変速機(マニュアルトランスミッション)の主要な機構をそのままに、変速操作だけを機械化した自動変速機である。欧州では一般にAMT(オートメーテッド・マニュアル・トランスミッション)と呼ばれている。

スズキのハイブリッドシステムの構成。AGSとモーターを組み合わせるのが特徴

 スズキがハイブリッドシステムと組み合わせる変速機としてAGSを採用した理由はいくつかある。通常のガソリンエンジン車に採用しているCVT(無段変速機)よりもコンパクトなため、軽量化や搭載性の面でCVTよりも有利なこと、CVTのような滑りがないので伝達効率が高いこと、そしてアクセル操作に対する応答のダイレクト感でも勝ることなどだ。

 駆動モーターは、エンジン/変速機の後、デファレンシャルギアに直接取り付けられている。スイフトにはISG(インテグレーテッド・モーター・ジェネレーター)と呼ぶ大出力のスタータ兼発電機を搭載してアイドリングストップ時のエンジンを再始動したり、駆動力をわずかに補助する簡易型のハイブリッドシステム「マイルドハイブリッド」を搭載する仕様もある。これに対して今回の本格的な「フルハイブリッド」では、ISGや、エンジン再始動用の12Vリチウムイオンバッテリーはそのままに、新たに駆動力補助用のモーターと高電圧リチウムイオンバッテリーを加えた構成になっている。これに伴って、ISGはほぼ、エンジン再始動専用になった。

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「フィット対スイフト、最新ハイブリッド対決」の著者

鶴原 吉郎

鶴原 吉郎(つるはら・よしろう)

オートインサイト代表

1985年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、2004年に自動車技術の専門情報誌の創刊を担当。編集長として約10年にわたって、同誌の編集に従事。2014年4月に独立、オートインサイトを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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