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2019年に始まるマツダの次世代「SKYACTIV」

世界初、夢のエンジンに挑む

2017年8月18日(金)

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マツダが開催した「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」発表会の模様。登壇しているのは小飼雅道社長

 何とも消化不良な思いをしたジャーナリストが多かったに違いない。先日都内で開催されたマツダの技術開発の新長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」発表会のことだ。パワートレーンや安全技術など、これからのマツダの技術開発の方向について総括的な説明が行われたのだが、なにしろ内容が盛りだくさんなうえに、説明時間は1時間程度。しかも会場からの質問は一切受け付けないという説明会だったのだから、詰めかけた記者たちが欲求不満になるのも無理はない。かくいう筆者もそうだった。

 今回発表された内容は、主なものだけでも下記のように多岐にわたる。

  • 「Well-to-Wheel(井戸から車輪まで)」の企業平均CO2排出量を、2050年までに2010年比90%削減することを視野に、2030年までに50%削減を目指す。
  • この方針にもとづき、今後も世界的に大多数を占めると予測され、CO2の削減に最も効果のある内燃機関の理想を徹底的に追求し、効率的な電動化技術と組み合わせて導入する。
  • クリーンな発電地域や、大気汚染抑制のために自動車に関する規制がある地域に対しては、EV(電気自動車)などの電気駆動技術を2019年から展開。
  • 先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」の標準装備化を推進。既に標準装備化を始めた日本に加え、2018年以降順次グローバルにも拡大。
  • 人間中心の自動運転コンセプト「MazdaCo-PilotConcept(マツダ・コ・パイロット・コンセプト)」にもとづいて開発を進めている自動運転技術の実証実験を2020年に開始し、2025年までに標準装備化を目指す。
  • ガソリンと空気の混合気をピストンの圧縮によって自己着火させる燃焼技術(圧縮着火、Compression Ignition(CI))を世界で初めて実用化した次世代SKYACTIVエンジン「SKYACTIV-X」を2019年から商品化。燃費とトルクを最大で30%向上。

「内燃機関中心」は変わらず

 実は、これらに対してほとんど内容の説明はなく、項目の紹介に終わったのだが、そんな中にあって、例外的に技術の概要を説明したのが新世代SKYACTIVエンジン「SKYACTIV-X」だ。最近では、フランスや英国が2040年までにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する方針を表明するなど、エンジン車に対する風当たりが強くなっている。しかし今回の発表でマツダは、パワートレーンの中心に内燃機関を据え、電動化技術は補助的に使うという従来からの方針を変えなかった。その方針に説得力を与えるのが、今回概要を説明したSKYACTIV-Xだ。

 SKYACTIV-Xは、いわゆるHCCI(Homogeneous Charged Compression Ignition、予混合圧縮着火)エンジンと呼ばれるもので、ガソリンエンジンでありながら、ディーゼルエンジンのように、ピストンが上昇してシリンダー内の温度が高温になるのを利用して着火する、いわゆる「圧縮着火エンジン」であることが特徴だ。

従来の火花点火(SI、Spark Ignition)エンジンと、HCCI(Homogeneous Charged Compression Ignition、予混合圧縮着火)エンジンの違い。SIが点火プラグを中心に周囲に火炎が燃え広がっていくのに対して、HCCIでは燃焼室内の多くの場所で同時に自然着火するのが特徴

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「2019年に始まるマツダの次世代「SKYACTIV」」の著者

鶴原 吉郎

鶴原 吉郎(つるはら・よしろう)

オートインサイト代表

1985年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、2004年に自動車技術の専門情報誌の創刊を担当。編集長として約10年にわたって、同誌の編集に従事。2014年4月に独立、オートインサイトを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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