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VWのディーゼル排ガス事件がこじ開けた巨大な闇

“何が不正なのか”自動車メーカーに見直し迫る

2015年9月25日(金)

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 どう考えても腑に落ちない。独フォルクスワーゲン(VW)が、米国内で販売していたディーゼル乗用車で、排ガスに関する試験をクリアするために、違法なソフトウエアを使っていたとされる事件のことだ。

 違法なソフトウエアを搭載していたとされているのはVWが米国で販売した2009~2015年型の「ゴルフ」「ジェッタ」「ビートル」と2014~2015年型の「パサート」、そして傘下の独アウディが販売した2009~2015年型の「A3」のディーゼル仕様車の合計約48万2000台だ。米環境保護局(EPA)の発表によれば、これらの車種に搭載されているエンジンECU(電子制御ユニット)のソフトウエアには“スイッチ”(EPAの呼び方)が組み込まれており、このスイッチが「ステアリングの位置」「車速」「吸気圧」などからEPAの排ガス試験中であることを検知すると、ECUが「試験用」の制御ソフトウエアを走らせて、排ガスに含まれる有害物質のレベルを基準値以下に抑える。

エンジンの制御ソフトウエアに不正があったとされる「ジェッタ TDI」(2015年型)、写真提供:フォルクスワーゲン

 逆に、試験中ではないとスイッチが検知すると、ECUは「走行用」の制御ソフトウエアを走らせて、排ガス浄化装置、特にNOx(窒素酸化物)の選択還元触媒(SCR)や、NOx吸蔵還元触媒(LNT)の働きを弱める。結果として、排ガスに含まれるNOxの量は、走行状況によってEPAの基準値の10~40倍に達するという。EPAの大気浄化法(CAA)では、通常走行時に、排ガスの浄化装置の働きを弱める「ディフィート・デバイス(無効化装置)」の搭載を禁止しており、この“スイッチ”の搭載は、法律違反だというのだ。

米国は重点市場ではあったが…

 今回の事件で、VWが払う制裁金は約2兆円に達するとの観測もある。筆者が「腑に落ちない」と思ったのは、VWがなぜ、これほどのリスクを犯してまでこんな違法ソフトを搭載したのかということだ。もともと、VWにとって米国での販売台数は多くない。同社の2015年1~8月の米国市場での販売台数は約40万5000台でシェアは3.5%。このシェアは、企業規模の大きく異なる富士重工業の3.2%と同程度にすぎない。今回の事件で制裁金の対象となるディーゼル乗用車の台数が、2009年から2015年までの6年間で、たった48万2000台、1年あたりわずか8万台程度と聞いて、その少なさに一瞬一桁違うのではないかと思ったほどだ。

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「VWのディーゼル排ガス事件がこじ開けた巨大な闇」の著者

鶴原 吉郎

鶴原 吉郎(つるはら・よしろう)

オートインサイト代表

1985年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、2004年に自動車技術の専門情報誌の創刊を担当。編集長として約10年にわたって、同誌の編集に従事。2014年4月に独立、オートインサイトを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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