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VWはなぜ不正に手を染めたのか

対応誤れば影響は長期化

2015年10月13日(火)

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 独フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル違法ソフト問題の全貌が徐々に明らかになるにつれ、筆者はその類例を見ない悪質さ、そしてその悪に手を染めたのが、ほかならぬVWであることに大きな衝撃を受けている。当コラムの「号外」を書いた2週間前には、正直に言って、この事件がこれほどの悪質なものだとは思わなかった。それだけに、2週間前に「腑に落ちない」と書いた気持ちはますます強くなっている。なぜVWは、これほどの悪に手を染める必要があったのかと。

 技術的に競合他社に遅れた企業が、劣勢を挽回するために不正に手を染めるというのなら分かるが、VWは乗用車にディーゼルエンジンを搭載することではパイオニア的な企業の1社である。初代「ゴルフ」に1.5Lという当時のディーゼルエンジンとしてはかなり小排気量のエンジンを搭載した1976年発売の「ゴルフ D」は、遅い、うるさいという当時のディーゼルエンジンに対するイメージをかなり払拭した画期的なモデルだった。VWの技術力は、控えめに見積もっても、同業他社に劣ることはない。ということで、これほどのリスクを犯す原因は依然として謎のままである。なにか「異常」なことがVWの社内に生じていたと考えなければ、この事件が起きた説明にはならない。

 前回の記事が掲載されてから、多くの人の質問を受けたが、一番多い質問も、「なぜVWはこれほどの不正に手を染めたか?」だ。もちろん真相は、現在も進んでいる調査の結果を待つしかない。

尋常ではない成長志向

 それでも、あえて考えを進めていけば、今回の事件の根底にあるのは、普通では考えられないほどの成長志向である。VWグループの世界生産台数は2004年の約500万台から、2014年には約1000万台へと、10年で約2倍という急成長を果たした。日本市場の年間の新車販売台数は、2014年で556万台だから、VWグループは10年で、世界第3位の市場である日本の新車販売台数に匹敵する販売台数を増やしたことになる。これは自動車産業の歴史でも類を見ない成長スピードだ。

フォルクスワーゲンは2004年から2014年の10年間でグループの世界販売台数を約500万台から約1000万台へと2倍に急伸させた

 VWは2007年に発表した中期経営計画「ストラテジー2018」で、2018年までにグループの世界販売で1000万台を達成し、世界一の自動車グループとなることを目指すと宣言したが、実際には2014年に販売台数目標を4年前倒しで達成し、世界一のトヨタ自動車グループに肉薄、2015年の前半には世界販売台数でトヨタ自動車を抜き、世界最大の自動車グループになる目前のところまで来ていた。その矢先に今回の事件は起きた。

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「VWはなぜ不正に手を染めたのか」の著者

鶴原 吉郎

鶴原 吉郎(つるはら・よしろう)

オートインサイト代表

1985年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、2004年に自動車技術の専門情報誌の創刊を担当。編集長として約10年にわたって、同誌の編集に従事。2014年4月に独立、オートインサイトを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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