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トヨタ筆頭に日本メーカーの商品力が強まる年

規制強化、自動運転――次なる嵐には十分に備える

2017年1月1日(日)

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お正月限定企画として、日経ビジネスの人気連載陣に、専門分野について2017年の吉凶を占ってもらいました。
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 まさかと思われたトランプ米大統領の登場で、一時は暗雲が垂れこめた日本の自動車産業だが、思わぬ円安で、2017年は追い風の年になりそうだ。ただし、その影で、産業構造の根幹を揺るがしかねない変化が近づいている。この順風の期間を生かせるかどうかで、日本の自動車産業の将来が大きく左右されそうだ。

円安基調はしばらく続く

 2017年の日本の自動車産業の業績を大きく左右しそうなのは、販売台数に占める比率が高い米国市場の動向である。2016年10月に発表されたIMF(世界通貨基金)の予測によれば、2016年の米国の経済成長率は1.6%となる見通しだ、これに対し、2017年は2.2%に上昇すると見ているが、トランプ政権が掲げる減税を中心とした経済のテコ入れ政策によって、これが3%近くまで上昇するとの見方も出ている。いずれにせよ、トランプ政権の誕生によって経済成長率は上振れするとの見方が多く、まずこのこと自体が米国の自動車市場の追い風になる。

 そしてもう一つ特筆すべきは、こうした経済成長が、円安を持続させる可能性が高いことだ。すでに米連邦準備理事会(FRB)は、こうした景気の拡大を前提として、2016年12月14日に、同年初の利上げに踏み切り、2017年中も3回の利上げを予定している。これは、これまで超緩和状態にあった金融政策を徐々に平常時に戻していくプロセスといえるが、こうした金利の上昇はドル高基調を維持する方向に働くだろう。これらの点から見て、2017年は2016年よりも全体として円安基調で推移する公算が高い。

トヨタが商品力向上を加速

 加えて、2017年は日本の完成車メーカーの商品力の強化が進む。その代表格がトヨタ自動車だ。2017年1月8日に開催するデトロイトモーターショーで、トヨタは米国市場における主力商品である「カムリ」の全面改良モデルを発表する。今回のカムリの最大の注目点は、プラットフォーム、パワートレーンのすべてに「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を採用した最初のモデルであるということだ。

 TNGAは、トヨタのクルマ作りを刷新する活動の総称で、すでにTNGAに基づく新世代のプラットフォームは2015年12月に発売された新型「プリウス」から採用されている。2017年に発売するカムリが注目されるのは、プラットフォームだけでなく、TNGAに基いて新たに骨格から新設計されたエンジンや変速機、ハイブリッドシステムが初めて採用されることだ。

トヨタが2017年発売の新型「カムリ」などから導入すると見られる新世代パワートレーン群(資料提供:トヨタ自動車)

 トヨタの横置きFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車用エンジンは、これまで排気量クラスによって設計思想がばらばらで、採用する要素技術も異なっていたが、TNGAでは異なる排気量のエンジンも同じ思想で設計されているのが大きな特徴だ。まず「理想的な燃焼とは何か」を追求し、それを実現するための設計方針を排気量の異なるエンジンにも共通な「コモンアーキテクチャー」として展開する。これによって、すべてのエンジンの性能や効率を底上げするとともに、個々のエンジンをばらばらに設計するよりも開発の効率を上げるのが狙いだ。トヨタは、TNGAの思想に基づくエンジン群を「Dynamic Force Engine」と名付けている。

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「トヨタ筆頭に日本メーカーの商品力が強まる年」の著者

鶴原 吉郎

鶴原 吉郎(つるはら・よしろう)

オートインサイト代表

1985年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、2004年に自動車技術の専門情報誌の創刊を担当。編集長として約10年にわたって、同誌の編集に従事。2014年4月に独立、オートインサイトを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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