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子どもは一人ひとり違う個性を持っている

第15回:教育先進国オランダで言われた「クソくらえ」

2015年7月13日(月)

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英国に留学し、ロンドン大学院に通う税所篤快さん。教育先進国のオランダに遠征し、生徒一人ひとりに向き合う新しいスタイルの教育現場を見学した。そこで指摘されたのは、この5年間バングラデシュで進めてきた映像授業の根本的な課題だった(前回の記事はこちらをご覧ください)。

 「e-Education? そんな時代遅れのプロジェクトなんて、クソ食らえよ!(ブルシット!)」

 オランダのハーグで、僕は今までの5年間を否定されるような厳しい一言を浴びせられました。

 相手は教育に詳しい著名な研究者の女史、ここでは悔しいのであえて名前は秘します。アジアや南米など世界中の国で暮らしながら、自らの子育て体験を元に世界で最も子どもたちを幸せにする教育を追求してきました。最終的にはオランダの「イエナプラン」という教育スタイルにたどり着いた女史は、この地を拠点に世界に発信を続けています。イエナプランとは、大まかに言えば、まるで家庭のリビングのような教室で、複数の年齢の子供たちが一緒に学びながら共に活動し、それぞれの状況に合わせて成長していくことを目指す教育スタイルです。

 オランダは子どもの幸せ度では世界一。そして、成熟した教育モデルのイエナプランが発達したことで知られる教育先進国です。僕はロンドンで彼女の著作を読み、e-Educationのこれからの進化のヒントを求めてオランダ遠征にやってきたのでした。

イエナプランを取り入れた学校の教室。教師を生徒が輪になって取り囲みながら授業を進めていくことが特徴

 瀟洒なホテルでコーヒーを頼むと、僕は今までの活動についてバングラデシュでの挑戦から報告しました。すると厳しい表情の女史から冒頭の一言。いきなりノックアウトです。女史は続けました。

教育途上国、日本のモデルを輸出してどうするの?

 「日本は教育途上国よ。その遅れたモデルを途上国に輸出してどうするの?」

 僕たちのe-Educationは日本の進学塾の映像授業をベースにしています。そのモデルの背景にある「受験、競争、画一的な一斉授業」を女史は「時代遅れ」と力強く批判します。

 「こんなに若くて素晴らしいエネルギーを、こんな時代遅れなことに使ってすごく残念……」と厳しい女史の言及は続きました。

 「これからの時代は子ども達一人ひとりの才能を最大限に伸ばすことが最も重要です。そのためには個人にあった学び方を追求していく時代、映像による一方通行の画一的な授業スタイルなんてナンセンス。OECDのおじさんたちですらやっと分かってきたことなのに、あのおじさんたちよりももっと古いわ。競争より協働した学びがこれからの時代のあり方なのに……」

 「あなたたちの活動は途上国の子どもたちを受験・競争のサイボーグに仕立て上げて、付いていけない落ちこぼれをさらに増やしている可能性があるわ。なぜあなたたちがそれに気づかないか分かる? それは、あなたたち自身が日本の受験戦争の成功者だからよ」

 「教育は何のためにあるの?」

 「20年後に彼らにどうなってほしくて、あなたはこの教育プロジェクトをやっているの?」

コメント6

「バングラの“ドラゴン桜”英国へ」のバックナンバー

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「子どもは一人ひとり違う個性を持っている」の著者

税所 篤快

税所 篤快(さいしょ・あつよし)

「e-Education」創業者

NGO「e-Education」創業者。1989年、東京都足立区生まれ。早稲田大学卒業後、英ロンドン大学教育研究所(IOE)修士課程に在籍。同NGOは映像授業を活用しバングラデシュなど17カ国で教育支援を実施している

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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