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世界の果てまで回って分かった日本の魅力と課題

最終回:五大陸の終着駅ロンドンから次のステージへ

2015年7月30日(木)

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ソマリランド大学院を遠隔で運営しながらロンドン大学院に通う税所篤快さん。教育先進国オランダではe-Educationの活動が完全に否定されるという憂き目に。ロンドンに戻った税所さんは同級生たちとオランダでの気づきを共有しました(前回の記事はこちらをご覧ください。

「それでアツ、ちゃんと反論したんだろうね?」

韓国人のサンフンが聞きます。

「え?」

「だってそれじゃあアツその女性にやられっぱなしじゃない。あなたの活動はとっても意味があるものよ。それを反論しなかったの?」

レバノン人のラグダが追い打ちをかけます。

「そのときは面食らってしまって言葉が出なかったんだよ……」

「そんな~!こんなときのために私たちはクラスでディスカッションの訓練をしてるんじゃない……」

まさに同級生の言う通りでした。僕は女史にすぐさま反論すべきでした。

「バングラデシュの教育環境では基礎すらまだ不十分。だから、個性重視なんかよりもDVD授業のような効率的な方法で基礎作りからすることが大事なんだ」とか、「オランダみたいにすべてが揃ってるわけじゃないんです!現場を見て、まず自分たちでできることを考えたんです」と反論することもできたでしょう。

でも反論できませんでした

 しかし、僕にはできませんでした。

 というのは、女史が本質的な問題提起を僕にしているような気がしてならなかったのです。

 冬の寒い2月のロンドンで、僕は街中を歩き回りビッグベンを毎日眺めながら考えていました。

 イギリスが誇る名門UCLの教育研究所ライブラリーには世界中の文献が眠っています。僕はそこで漁るように文献を読み続けつつ、今までの僕たちの活動の本質的な意味を考えました。

ロンドン大学院の図書館

 バングラデシュ版ドラゴン桜を立ち上げた2010年、五大陸ドラゴン桜を掲げバングラデシュから中東に打って出たのが12年。このドラゴン桜シリーズも5年間の月日が経っています。

 ある日、ノーベル賞受賞者のアマルティア・セン博士がロンドン大学で講演しました。国際開発教育を学ぶ僕たちにとって「潜在能力アプローチ」や「人間の安全保障」というコンセプトを考案したセン博士はヒーローです。彼の講演で改めて「人間の持っている可能性を最大限に生かすための教育」という話を聞き、今まで考えてきたことが一気につながりました。

 確かにオランダの女史は正しかったのです。

「eラーニングに、現地のリーダー、そしてe-Educationの日本人メンバー、この三者が結びついたからこそイノベーションが起きたんだ!」

コメント1

「バングラの“ドラゴン桜”英国へ」のバックナンバー

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「世界の果てまで回って分かった日本の魅力と課題」の著者

税所 篤快

税所 篤快(さいしょ・あつよし)

「e-Education」創業者

NGO「e-Education」創業者。1989年、東京都足立区生まれ。早稲田大学卒業後、英ロンドン大学教育研究所(IOE)修士課程に在籍。同NGOは映像授業を活用しバングラデシュなど17カ国で教育支援を実施している

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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