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「二回り歳が違えば宇宙人」今どき社員の育成法

育て方次第で若手の能力はぐっと引き出せる

2018年1月22日(月)

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 慢性的な人手不足が続く建設業界。職人の高齢化は進み、新人は辞めていく中、若手社員の獲得・定着に成功しているのが、中屋敷左官工業(札幌市)だ。秘訣は、若手世代の価値観に合った育成法にある。

 同社は、日経トップリーダーが中小企業基盤整備機構と東京商工リサーチの協力を得て、人材育成に優れた中小企業を表彰する「日経トップリーダー・人づくり大賞」で、最優秀賞を受賞した1社。中屋敷剛社長が考え抜いた今どきの若手社員を育てる仕組み。その神髄を徹底解剖する。

 「人が入ってこない、たとえ入っても長続きしない。若手社員が1人、また1人と、抜けていくたびに心が沈んだ」。中屋敷左官工業の中屋敷剛社長はかつてを振り返り、こう話す。

厳しすぎる未来予想図

 入っては辞める、の繰り返し。どうしてこうなんだと悩んでいた2011年頃、ふと思い立って、全従業員34人の年齢一覧表を作った。各人の現在と5年後、10年後の年齢を入れ、完成させたとき、驚いた。10年後の平均年齢が60歳を超えていたからだ。

中屋敷左官工業の職人が全員集合。高齢化が進む左官業界の企業とは思えないほど若手が多い(写真:吉田サトル)

 「このままではうちの会社に未来はない。何とかしなければ」と覚悟を決めて、採用と育成の大改革を決意した。

 まず、事務の女性社員に「うちの若いメンバーって、どういうふうに採用しているの?」と聞いた。当時、中屋敷社長は採用に関わっておらず、実情を把握していなかったからだ。

求人票が魅力的でない

 そのとき見せられたのが求人票。仕事内容の欄に「壁、床などにモルタル及び補修材を塗る作業」と書いてある。これでは、素人にはどんな仕事か全く想像がつかない。「こんな求人票で、優秀な人材が応募してくるわけがない」。

 そこで中屋敷社長は、企業理念や人材教育方法などを、写真入りで丁寧に説明した会社案内を作成。北海道内の工業高校に送ったところ、10人から応募があった。

 入社試験では、「塗り壁トレーニング」をしてもらった。要は「職業体験」だ。先輩社員が作業している様子を撮影した動画を見せ、「これをまねして」と指示した。

採用試験は「塗り壁トレーニング」。実践的な作業を応募者に体験してもらう。採用する側もされる側もここで向き・不向きを判断する。いくら真面目でも、不向きな人は採用しない
「日経トップリーダー大学」第6期が始まります

 中屋敷左官工業の中屋敷剛社長をはじめ、トップが月1回、計12人登壇し、自身の経験を通じて体得した経営の要諦を語る通年セミナー「日経トップリーダー大学」第6期が4月から始まります。

 今回は「より深く学び、より広く体験する」をテーマに掲げ、プログラムをリニューアルしました。トップの講演・質疑応答はもちろん、受講生同士のディスカッションや年4回の現場視察(企業訪問)の内容を充実させています。特に現場視察は、ジャパネットたかた前社長で現在、J1に昇格したV・ファーレン長崎の髙田明社長の講演、試合観戦など盛りだくさんの内容です。

 経営力を高め、景気の波などの外部環境に左右されない強い企業をつくりたいと真剣に考える中小企業経営者のための年間プログラムです。こちらの本講座の詳細をご覧の上、ぜひ参加をご検討ください。

コメント3件コメント/レビュー

世代間の価値観の差などは、実は仕事上ではほとんどありません。単に、中堅~幹部の人たちが、自分たちがまだ最下層であった頃にもっていた視点を失っているために違和感を感じるだけです。もちろん、とんでもない人というのはいますが、それはいつの時代にも必ずそういう人たちはいました。要は、採用から育成までのプロセスにおいて、当然為されていなければならないことが多くの会社でないがしろになっているだけなのです。たとえば、社長が採用プロセスを知らなかったりするのはあり得ない話だし、新人に対して、体系づけた段階的育成プロセスがあるのは当たり前のことです。裏を返せば、”俺の背中を見て学べ”という古来からあった日本の職人のあり方自体が、無駄な時間の使い方であり無駄な人材の浪費と流出であったのです。そのような慣習がなければ、日本のモノづくりや職人技術はもっと伸びていたはずといえるでしょう。(2018/01/23 11:25)

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「「二回り歳が違えば宇宙人」今どき社員の育成法」の著者

荻島 央江

荻島 央江(おぎしま・ひさえ)

フリーランスライター

2002年からフリーランスライターとして活動。現在は「日経トップリーダー」や「日経メディカルオンライン」などに執筆。著名経営者へのインタビューや中小企業のルポを得意とする。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

世代間の価値観の差などは、実は仕事上ではほとんどありません。単に、中堅~幹部の人たちが、自分たちがまだ最下層であった頃にもっていた視点を失っているために違和感を感じるだけです。もちろん、とんでもない人というのはいますが、それはいつの時代にも必ずそういう人たちはいました。要は、採用から育成までのプロセスにおいて、当然為されていなければならないことが多くの会社でないがしろになっているだけなのです。たとえば、社長が採用プロセスを知らなかったりするのはあり得ない話だし、新人に対して、体系づけた段階的育成プロセスがあるのは当たり前のことです。裏を返せば、”俺の背中を見て学べ”という古来からあった日本の職人のあり方自体が、無駄な時間の使い方であり無駄な人材の浪費と流出であったのです。そのような慣習がなければ、日本のモノづくりや職人技術はもっと伸びていたはずといえるでしょう。(2018/01/23 11:25)

この数年の新卒が、電子メールの使い方を知らないという複数報道を見たことは無いのでしょうか。2周りではなく1周りの間違いでしょう。

概ね1周り下の世代は、一方が中学生の頃には、まだ喋ることができない世代ということです。そんなに離れて、同じ思考回路のはずはありません。(2018/01/22 11:48)

仕事の着地点(何をもって完成か)が見えるようになるのは大事だと思います。

そしてそれこそが本来のOJTの役割だったと思いますが、多くの企業はそれを「コスト」として切り捨てていった果てが技術の継承の断絶だったのでしょうね。(2018/01/22 10:53)

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野口 悠紀雄 早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問