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カイゼンより快適で社員を大切にしながら稼ぐ

青野慶久サイボウズ社長対談(1)

2017年8月28日(月)

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長野県伊那市の寒天メーカー、伊那食品工業の塚越寛会長は、48期連続増収増益を達成した実績もある、知る人ぞ知るカリスマ経営者。持論の「年輪経営」は、トヨタ自動車の豊田章男社長も影響を受ける(詳しくはこちらを参照)。同様に塚越会長の経営姿勢に以前から共鳴していたのが、ソフトウエア大手、サイボウズの青野慶久社長だ。今回、伊那食品工業の本社で初の対談が実現した。テーマは「社員を幸せにするいい会社のつくり方」。白熱した議論の模様をシリーズ企画で紹介する。初回は、労働環境の整え方がメーンだ。「カイゼンより快適」――。視察に訪れるトヨタ関係者をハッとさせるこの一言に、青野社長もひざを叩いた。

1997年の創業当初、サイボウズは猛烈な働き方だったそうですね。青野社長自身も、過労で倒れそうになったことがあったとか。それが現在はライフステージの変化に合わせて働き方を調整できる「選択型人事制度」や「在宅勤務制度」など、多様な勤務形態を認めています。なぜ大きく変われたのでしょうか。

青野:もともとITベンチャーですから、みんな寝ずに働くのが当たり前でしたし、自分もそうするのが好きでした。夜12時まで働いて、そこから何時までいけるかみたいな。今から思うと、むちゃくちゃなんですけれど。当然離職率は高くなり、一番ひどいときが2005年で、28%にまで上昇しました。

塚越:離職するというのは、過剰な労働に耐えかねてですか。 そうした働き方を続けたら身体を壊してしまう。

せっかく採用しても4人に1人が退職

青野:そうですね。結婚、子育て、大学に通う──理由は様々でしたが、とにかくどんどん辞めていきました。28%ということは、4人に1人は1年後にいないわけです。「これはまずい。ちょっと辞めすぎだ」と思った。せっかく育てた社員が次々に辞めれば、人材投資コストが無駄になります。ゼロから採用活動をするのも、効率が悪い。

 そこで大いに反省して、社員に「人が辞めない会社にしたい。だから、思い付くだけわがままを言ってくれ」とお願いしました。それを一つひとつ受け止めて、可能なものから実現してきました。離職率は17年現在、4%にまで下がっています。

対談はサイボウズの青野社長が、長野県にある伊那食品工業の本社を訪れて実現した(写真:堀勝志古、以下同)

塚越:わがままを言ってくれというのは、社員を集めて伝えたのですか。

青野:そうですね。「これからも言いたいことがあれば、すべて言ってくれ」と懇願しました。すると「残業したくない」「短い時間だけ働きたい」「週3日しか働きたくない」といった、具体的なニーズが続々と出てきた。 

 そこで、残業なしや短時間の勤務形態を可能にしたり、副業を認めたりしてきました。そうしたら、離職率が下がって会社の雰囲気が良くなってきた。

 面白いなと思いました。

 社員一人ひとりの顔を見ながら、その人たちの夢を実現させていく。そういう理想は、もともと自分の中にあったものの、本当にそれが正しいのか、なかなか確信が持てなかった。でも、実際に働く人をみんなハッピーにしていくと、業績も上がった。理想が実現したんです。

 キーワードは多様性だと思いました。社員の多様性を尊重したら、人が辞めない理想の会社に近づけた。「これは経営戦略として、重要ではないか」と思い至ったんです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師