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人事評価をめぐる5つの誤解

本当の目的を見失っていませんか?

2017年11月14日(火)

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誤解1 「社員はお金で動かせる」

 日本の企業が、アメリカの徹底した成果主義に影響を受け始めたのは、1990年代前半のこと。1993年に、日本を代表する富士通のような会社が成果主義を導入したのが、成果主義ブームのきっかけとなりました。以後、日本中の企業が大小を問わず、競うように成果主義を取り入れ始めます。

 それ以前の人事評価制度といえば、能力主義的なものが主流でした。知識や経験によって得た仕事の能力を中心に評価するものです。

 一方の成果主義は、仕事の実績や結果を重視します。より多くの数字をあげた社員とそうでない人で賃金や昇進に大きく差をつけ、減給や降格もあるという厳しい処遇を行ってきました。

 成果主義が日本に導入されて十数年のあいだに、人事評価制度は一気に結果を重視するものが主流となりました。実際私が駆け出しのコンサルタントだったころは、成果主義的な人事制度のコンサルティングの依頼を受けたことも多くあります。

 この流れは、今でも一部の業界などでは続いています。このため、「人事評価制度を戦略的に導入する」というと、こんなイメージを持つ人が今でもいるかもしれません。

  • 数字で評価に差をつけ、これをもとに給与や賞与の格差を広げる
  • 業績と給与を結びつけることで社員を競わせ、モチベーションを上げてもらう
  • 社員のやる気をお金でコントロールしていくのが、人事評価制度の仕組み

 しかし、私は声を大にして言いたいのです。
「そのような考え方では、お金のために働く社員ばかりが生まれてしまいますよ!」と。

お金以外のやりがいのほうがたくさんあるのに

 ここで、みなさんに質問です。仕事をするうえでの最終目的は、お金を稼ぐことでしょうか?

 仕事をするうえでのやりがいは、給料が上がること以外にないのでしょうか?

 きっと、答えは「ノー」ですよね。みんな、わかっているはずです。

 やりがいの種はいたるところにあります。お客さまに笑顔で「ありがとう」と言われるために頑張る、社会に貢献する仕事をしているという誇りがある、かけがえのない仲間と出会える。女性は、お金以外のやりがいを見つけるのが上手です。

 また、一般的には成果が数字で見えづらい仕事に携わっている女性のほうが大多数です。女性がこのような環境に置かれた会社に結果や業績を重視する成果主義を持ってきたらどうでしょう。営業職などの男性社員のほうが優遇されると思われても仕方ありません。

 社員は報酬のためだけに働くものではないのです。徹底した成果主義は社員全員の目をお金に向けてしまうだけなのです。

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「人事評価をめぐる5つの誤解」の著者

山元 浩二

山元 浩二(やまもと・こうじ)

日本人事経営研究室社長

2002年に日本人事経営研究室を設立し、小さな会社の人事評価制度の導入を専門にしたコンサルティング事業に取り組む。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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